捜索 2   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

暫しの沈黙のあと硬直とも捉えられる姿勢から解かれたようにビムが言葉を告げる。

「バンクに渡りだけをつけておいた。これによってあやつの所在にアクセスが可能になるだろう。では行ってくる良い休暇を」

「ありがとうビム」

そう言って部屋を出てゆく背中にステラが応える。

同じ肉体を共有する故に、感情や意思の疎通は無言でも通ずるのであるが、敢えて肉体を受け渡されたステラにとって人工同位体(バイオロイド)に意識を複製されているビムへの口頭でのやりとりは必然だった。

「さて、ファンを探すのに、この子だと荷が重いしフルモードにアップしたとしても時間が掛かりすぎよねえ」

ふよふよと浮遊するライトビットを相変わらずつつきながらステラがつぶやく。

応えるかのように浮き沈みを繰り返すライトビットを見つめながらステラは考え混んでゆく。

「此処でできないなら出来るところに頼むしかないわね…」

そう再びつぶやいたステラはとある所へとライトビットを繋ぐこととした。


数多くのアクセスルートの中から、最適なルートをいつものように選び出したライトビットが、フロートウインドウを展開する。

そこには見慣れた場所と見慣れた顔が映し出されていた。

「あれ?室長?今日から休暇ではないのですか?」

「うん、そのことでトロイ君に相談があるの。勤務中にごめんね」

そう言ってステラは話を切り出していった。





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