かわった名前 2   (恋愛小説 思い出) 


「ところでセラさん、今日は一日こうしてお話だけで終わるのかな?ボクとしては折角お会いできた貴女とより親密になりたいんだけど…」

彼の笑顔を見て考え込んでしまっていた私に声がかかる。

催促ともとれなかったが、お仕事だと思い出しそれに答えてみたの。

「そっ、そうね。じゃあ二人だけで落ち着ける場所にゆくことにしましょうか?何処か宛はありますか?」

動揺を隠せない私に彼の笑顔が答えてくれた。

「流石にここ浜松はホームグランドじゃないからそうゆう場所が思いつかなくて、おすすめの場所があるならそこで」

彼の言葉に少しばかり思いを巡らしたあと私はよく利用しているホテルへと彼を誘うことにした。


「じゃあ十分ほど走るけどいいかしら?」

私の問い掛けに彼は素直にうなづいてくれた。


大概はこういった場合、自分のリサーチした場所とかよりお金がかからない安宿を強引に押してくることが多いのだけど彼は違うようだ。

そういったことは気にならないたちか遊びなれているのかもしれないけど。

車を走らせて目当てのラブホへと入り込む。

駐車の具合を見る限りどうやら今日はすいているようだ。

彼を伴いフロントに向かうとやはり空室の掲示が目立つ。

どうやらお気に入りの設備の部屋もあいているみたい。


「この部屋にしたいんだけど?」

私は空いている部屋の中で中程の金額の部屋を指差してみる。

「いいんじゃない?特に部屋の設備にこだわるほうじゃないからね」


そう答えた彼の言葉にほっとして部屋のボタンを私は押した。

部屋へと向かうエレベーターに案内し二人して部屋へと入る。

馴染みの精算機が正面に据えられている玄関の中の横の扉を開くとすぐにベッドルームが広がる。

それをみた私は時間のチェックをして改めてお仕事だと思い出す。

そんな私の思いとは裏腹に彼は早々にベッドに座り込み備え付けのテレビをいじりだす。


部屋に入ったとたんに押し倒そうとしたり行為を求め始める客が多い中、そんな彼の行動は拍子が抜ける思いだった。

「ねえねえ、さっきの精算機といいテレビの機能といいこうゆう場所はだいたい何処も似たような感じだね、それとセラさんの名前って何か意味があるの?かわった名前だよねセラってのも、本名をもじったものとか?答えにくければ別に良いけど」

すぐには身体を求めない態度とこんな場所にはよく来ているみたいなセリフは、彼の印象を曖昧にし私はすぐには返事ができないでいた。





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