付き合ってる女 1 (官能小説 虚構の夢)  


滅多にならないボクの携帯がなった。

画面には美雨の文字。

先程までの室内の喧騒が呼び出し音に一瞬止まる。

そんな空気を特に気にもせずにボクは携帯に向かい話を始めた。


「今晩は美雨。何の用?」

変な空気に支配された部屋の中にボクの話し声だけが流れだす。


先ほどの喧騒は白々しいまでの沈黙となり、それぞれが固唾らしきものを呑み込み聞き耳を立て始めているようだ。

だけどボクは気にもしないで会話を続ける。

「だから、二十五日は用があるから無理だから会えないよ」

ボクのこの言葉に一つの聞き耳がぶんぶんと音を立てるかのように首を上下に振る。


あたりまえだボクは約束を優先させるほうだからだ。

それが例え彼女と単なる所有物を天秤にかけた場合であっても。


「うーん一日中ってわけじゃないけど…。まあ部屋に来てくれるのは構わないよ…、用事が済んで時間があく夜になれば。じゃっ、そうゆうことで」

通話を切ったボクの足元の聞き耳は先ほどと変わって、いやいやをするように横に振られている。


「で、カオリ?手と口を止めてるオマエはやる気があるのかな?やる気のない奴隷はボクはいらないから明日の約束も考え直さないといけないけど…」

意地悪な顔つきでボクは諭すように語りかける。

座っているボクの足元の半裸のカオリが慌てて奉仕を再開し始める。

先ほどの嬉しそうな表情が消えて、心なしか涙目になっている。

ボクの芝居が効力を発した事に満足しながら、エセ的な笑顔で次は優しく云う。

「莫迦だなあ、このボクが約束を反故にする訳無いだろう?明日はちゃんとオマエとのクリスマススペシャル調教だからな」

その嘘臭いボクの言葉に、それまでの無駄話を交えた態度も改まり熱心な奉仕が続く。

馴れ合いは好まない。

緊張する関係を続けるためには、言葉通りに鞭と飴は不可欠なものだ。


「あのう…和也様、色々とお聞きしてもよろしいでしょうか?食事の支度も終わりましたし、カオリちゃんも聞きたがってるようなので」

キッチンから裸エプロンの姿を見せたタマエが声をかけてきた。

「別にかまわないけど…何?」


「そのう…先ほどのお電話のお相手は女性の方ですよね?…妹様かなにかですか?」

「ボクに妹はいないから…、美雨は彼女だよ」

ボクの言葉に、何故か二人は固まった。




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