小説 バイオール

序章 1 天蓋の一幕  (ファンタジー小説 バイオール)

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突如具現化したその姿は、肉体を持たないエレメンタルの目からしても醜悪なものであった。

獣毛にも似た細かいトゲだらけの歪に孕んだ身体。

矮小な四肢と折れんばかりに細長い首。

とってつけたような口だけの顔が、ふざけたようにその首にのっかている。

だが、その口は巨大な身体で押しつぶした森の中、逃げ惑うバイオールの一種族である竜の民草を凄惨にも喰らい続け、耳を塞ぎたくなるような奇声の咆哮をあげるばかりであった。



「このような非道は許されるものではない」

空を覆う天蓋より見下ろす幾つもの瞳のひとつが、込み上げるように思いを漏らす。
  
「ゲノムス、これが理とゆうものよ。創造主たるクリエーターとはただそうあるもの。血肉を喰らい、代わりに富となる各元素を産み出す、あやつはそうゆうものだ」

光り輝く瞳の一つが、闇色に煌く瞳に応えた。

「クリエーターのもたらす四元素は我らメーカー、エレメンタルの源であり富でもあるが、低界における我らが複製でもある眷属がその糧となる先の話なれば…」

「我らが眷属?所詮、バイオールは粗悪品よ。我ら崇高なる精魂の作り上げた人形でしかない」

「ではシルフィード、そなたの眷属である光の民草が糧となっても同じ事が言えるのか?」

「光の民草も闇の民草も同じ作り物よ。そんなものは、またメーカーの産み落とす富で作り上げれば良いだけのこと。くしくもあやつと同じく喰らい孕むばかりの人形など数さえあればよいのだから。我らを称え崇める数さえな」

「やはり我と其方では相容れぬもの、其方がなんと思うと我はゆく。子等である眷属の元に向かい、あやつを阻むこととする」

そう言い残して闇色の瞳は高界より低界に堕ちて行った。

かの眷属を助けるべく受肉をし降臨するために。


「やれやれ、クリエーターに歯向かう理もわからぬ愚か者が…。よいか皆のもの!!事が落ち着いた頃を見計らい、我らに害をなすものとして奴を捉えよ。二度と愚行を起こさぬよう厳重に霊力を用い閉じ込め封印の儀を施すのだ」

霊力が満ち溢れる上界に、そのめいが響き渡る。

そして残された様々な瞳たちは、醜悪なる下界の有様と先ほどまで共にあったものの行く末を案ずるように、寡黙に天涯に映る眺めを見守るのであった。








いつものように 構想や流れも決めぬままの 見切り発車であります

更新も遅々 いつまで続くか 保証できかねますが…



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