ある ベイグスの事情 9 (SF小説 メトロの住人)


「時にリトランド君、群体における意識共有と君たちベイグスらの族間共生との違いについての君の見解はどうだね」

未だ目の前の優男がかのプロフェッサーと測りかねながらも、次々と問われるIGテストらしきものに答えてゆく。

俺の中の幾千もの共生記憶によれば、この男がプロフェッサーなのは間違いないと認識していたのだが。


「群体と云うのは、帝国バンクも含めてのことですかね…」

「…無論…そうだ」

まるで正解を導いた生徒を眺めるようかの視線が俺に投げかけられる。


「大抵の群体の生態が秘匿されている以上、公開されているバンクの性質をそれとみなすなら、全は個、個は全の群体はすべての意識が一つであり銀河に複数するその存在は、個別に存在するそれら全てが一つの個であり、ひとつひとつが全と云う事でしょうか。それに対し多くのベイグス、つまり虫種のその有り様は、一つの意志に繋がれた無数の手足であり多くを共有するも、例えば記憶とか知識、経験、それ自体は個性ある別個じゃねえかと俺は思っている」

「…なるほどね、及第だ。認識力の方は」

見据える視線に関心の色が浮かぶ。


「では、群体の特性を用いた軍のハイパー相互通信システムの問題点は何処にあると君は思うかね…」

「えっ?…教授でいいのかな?それはどうゆうことでこの会話は問題があるのでは??」

俺はすぐさま会話の中の重大な秘匿性に気づき、驚きのあまりこちらから問いかけるとゆう失態を晒してしまっていた。



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