蒼き荊棘 2 (小説 娼婦は何でも知っている)


席をたち入口と奥の歓談場を隔てている壁を回り込むと、そこには戦士風の若い男がいた。

「ん?なんだてめは!俺の相手をしようってのか?」

喚く男に近づく。

疾風のように。


「相手に…とゆうわけではない。…ただその腰のものを抜かれると、私としても相手をせざる負えないからだからだが…」

腰のものに伸ばそうとしていたその腕を掴み、私はそう囁いた。

「騎士としても…街の治安を収める警備隊としてもだがね」

腕を掴み男の行動を阻害したまま私はそう続ける。


私の眼差しを受け、男がごくりと唾をのみこむ。

「今日はちょっとした宴を開く予定なのだよ。そんな場所で無粋なまねなどしたくはないのでね…。だから…」

「…だから?」

私の言葉にオウム返しのように男の言葉が続く、不安の色を滲ませながら。


「なに提案だよ、今、店には…華が不足しているようだが…君の怒りの矛先を沈めるためにも、私の分の華を提供しようじゃないか?無論、只でだよ。なんなら私が相手をしても良いのだけれど…」

男はもう一度ごくりと唾を飲み込み、震えながら頷いた。


「リリイ!来てくれ!プリムラを連れて」

奥に向かいそう告げる。


「ブルローザ様、お呼びでしょうか?」

小柄で美しいエルフの女性が表れる。

先程まで私の横に縋っていた可憐な少女を伴って。

「このような幼い華なんだがどうだろうか?お気に召さなければ…この私自ら…お相手をするつもりなのだが…」


男が頷く。

「で、どちらを選ぶのだ?」

「ひっ!あ、あんたにするよ、あんたに。そんな小娘よりあんたの方が俺の好みだから…」

掴んでいた腕に無意識に力がこもってしまったのだろうか?悲鳴をあげ男がこたえを返す。


「とゆうことだリリイ、私に部屋を、そして待たしてる部下には適当に言い訳を。それと…プリムラ…すまない今日はお前の相手はできない」

「それがご主人様のお望みなら…華はご主人様のお望みのためにあるのですから」

少女がすぐに答えを導いた。


「やれやれ…承知致しましたブルローゼ様。おっしゃるとおり、お望みのままに」

こうして私は幾年ぶりかに殿方の相手をすることとなった。

今でも変わらぬ華のひとつとして。

無意識に望んでいたのかもしれない自分の欲望を満たすかのように。



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