ある ベイグスの事情 6 (SF小説 メトロの住人)


ブルーが多く住む下層居住エリアの店を出た俺たちは居住パネルの中層、いわゆるホワイトの連中が呼ぶところの地上へと向かう。

ここメトロコロニーは、初期コロニーによく見受けられるような多層の構造で、地上の下に奴らがそう言い捨てるダウンと呼ばれる下層エリアと奴らが蔓延るタウンと称する中層エリアが広がっている。

更には中層エリアの上にはそびえ立つ高層ビルが乱立していて、メトロ特有の雑多な雰囲気を醸し出してるのだ。


整然とした下層エリアからカーゴを使い俺たちは地上へとシフトした。

昇降ポイントでカーゴを降り外に出ると、人と物が溢れているいつものメトロが広がっていた。


「うちの処の呼ぶとかかるから、先ずはボートでも探そうぜ」

隣で歩くマイクの言葉に俺は頷く。

人混みに紛れた中に触覚に微かなボートの反応を感じた俺は、頭一つ低いノーマルであるマイクのやつを見下ろして言葉をかける。

「10時の辺りにそれっぽいがあるみたいだが」

俺の言葉にマイクの奴があたりをつけると、その反応が近づいてきた。


「あたりみたいだな」

そう言って顔を向けるマイク。


目の間で横付けになったボートにマイクが話しかけた。

「パラダイスにあるホテルまで頼みたいけど」

了承したかのように後部の席が開閉する。

俺の体長の半分位のボートが、乗り込もうとした途端ベイグスの俺でも入れる位に変態を開始した。


「いつ見ても無駄なテクノロジーだな、軍部でも乗務者ごとに可変可能な奴なんてお目にかかったことないぜ」

先に乗り込んだマイクに俺が呟くと、笑いながら答えがかえる。

「雑多な人が溢れてるメトロ特有じゃないかな?うちの製品だけど畑違いで俺は知らないけどね」

そんな無意味な会話を載せて俺たちは管理特区であるパラダイスに向かうことになった。



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