ある ベイグスの事情 2 (SF小説 メトロの住人)


ノーマルの奴らがコロニーと呼ぶこのメトロも内っかわのパネルを捲れば、無骨な外殻に覆われている。

ノーマルたちが暮らしてるパネルの上の綺麗な世界は、…もっとも此処メトロは雑多な感じだけど、ひと皮捲れば機械ヤロウと俺たち虫が蠢く陰気な世界だ。


一番外っかわは、恒星の光を一心に浴びる装甲に覆われていて、その殻と何枚もの羽で集めた光の力で内側の世界の全てを支えている。

効率としては、すげー仕組みだけどそれを伝えるパーツは、あまりの力に長く耐え切れない。

だから日々搬入されるそれぞれの交換用のパーツを運んでは交換、消耗したパーツを搬出の繰り返しだ。

そいつをするのが機械ヤロウどもと俺たちってわけだ。

そんなに頻繁に交換して割が合わないように俺には思えるけど、そこら辺はパネルの上の連中から搾り取る税金でなんとかなるらしい。

勿論、機械ヤロウどもや俺たちも毟り取られちゃあいるが、それは労働控除とかの関係で少なめになってるしくみだ。

頭のいい連中の考えで、俺たちがストライキを起こさない程度に飼い殺すぐつもりなんだろう。


融通のきかねえ機械ヤロウどもの補佐をしながら日々運んでは交換し、休息日にパネルの上の世界に上がって一杯やるのが俺の毎月の暮らしだ。


退屈な毎日と平凡な休みの日々だが、故郷の田舎暮らしよりはまだましだ。

兄弟の口癖じゃねえが、『雑多な都会の魅力』って奴にとりつかれちまった俺は、この暮らしから抜け出せそうにないと決め込んでいる。


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