実験  (官能小説 ラバーズ)


結果的には亀は失敗だった。

亀の甲羅に感覚があるかどうかは知らないが、もともと緩慢な動きしかしないものが、じっと動きを止めたとはいえ、それがこのマスク?の影響かは判別がしにくい。


意を決してボクは、自身に使用することにした。

どれほどの影響を与えるかがわからないため、すっぽりとそれを被る愚行はやめ、裏の一部を額にあてることで試したのだ。

念入りに手袋を重ねマスクを裏返しにする。

それをハンカチのように畳んで、自らの額に押し当てる。


もし被った場合に、まかりまちがって意識がそのままなくなるなどの最悪の結果をさけるためだった。


恐る恐る折り畳められたそれを額に押し当てる何かあった場合にうつむき加減に顔を伏せ、そっと押し当てる。

すぐさま意識が薄らいでゆく、心なしか手足の感覚も鈍くなり、遠のく思考の中、必死で最大の意識で額に押し当てていたものを落とす。

危なかった。

手足の硬直、思考の混濁、意識の喪失、…これは危険すぎる。

だが、この症状こそ、このマスクが完璧なる拘束をなすものだと確信する。

では、裏側?はどうなのだろう…。

感覚の鋭敏化、思考の加速、意識の拡大、そんなところだろうか。

はやる気持ちを抑えきれず、ボクは思いついたことを実行するのであった。


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