終焉を呼ぶ者 2(麗月の都 ラ・キューム)


「陛下におかれましては、今宵も麗しく」

闇雲に存在を表したその人型の主は、その無礼さを更に引き立てる形で慇懃に頭を垂れる。

取り巻きの思念が当惑の意を描く。

それを抑えるかのように女王であるウンブラはその青白いまでの人型で返事を描き始めることとなった。


「用件を申しなさい、フォルム」

彼女の思声はその住在する王宮のごとく冷たく澄んでいた。

「はて?用件ならば何度も申し立てているはずですが…」

悪びれた様子も描かれることはなくその形が答える。

不遜なるその形はフォルムの名を示すように周りを脅かすごとく輝きとして瞬いている。


「礼を尽くせとは、今更命じませぬが用件を描くのが真でしょう」

女王の型は揺るがない。

乱れを描くことなくフォルムをその力を用いて射据える。

それに対するように、笑いの揺らぎを伴いながらフォルムは臆することなく高みのものへと描き続ける。

「この世界の暗さと停滞を俺は黙っているわけにはいかないのです。下僕である霊どもの下位界を開拓せんがためにも、輝きの流れによる誇示固定は必要なもの。これをどうか…」

彼の主張は変わらない。

実際この永劫なる流れのの中で多くの闇界がそれぞれの存在を確定するために堕落を始めている。

そのような流れはウンブラをも時には揺るがしその配下なる霊界をも揺さぶっていることは確かだった。


「全てが同じく進むことは主母であるカオスの望みとは異なるものではないのですか?」

彼女は正論を描く。

しかしその描かれたものは、その内在する力の巨大さにも関わらず、目の前にかろうじて膝まづくその輝きを大きく揺らがせることはなかった。




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