至宝の探索 13 (ファンタジー小説   シーフ 賊と呼ばれた男)


「霊宿者が継魂である真霊と交わり霊力を行使するのは当たり前だよシャーラトン君。ただし…」



ブラーなる輝きが言い淀んだ。

「ただしってなんですか?」




「…君の疑問に答えよう!ここは間界だ!」

「いや、それも聞きたいですけど先程のただしってのは?」

しつこく食い下がるシャーラトンに、エイブも声をかける。

「ただしとは…」


言いかけたエイブに対してブラーが輝きを増した。


「…んっうん、ただしくは此処は冥界じゃ。死せる魂が集い色を失い輝きを消しゆく場所。そして一心一体である命の芽生えに呼ばれるまで彷徨う場所じゃ」

「ですから!ただしとはなんですか?」


「…ただしくは、死後の世界じゃ」



シャーラトンは、深くため息をついた。

それは自身の僅かな輝きの揺らぎとゆう形で表されたのだが。

「よーくわかりました…。では私は死んでもいないのに此処、冥界にいると云う事ですね…。それではお二人は何故このような場所に?」

「流石はシャーラトン君、実に物分りが良いね」

ブラーなる輝きが応えた。

それも満面の笑みを浮かべているような調子で。



シャーラトンは、もう何も言うまい何も思うまいと感じ、次の言葉を待つだけの姿勢を示す。


「何、例の依頼をこなすためのものを探すために此処よりも遥か高みの上界に趣いていたのだけど、丁度君の輝きを感じたから降りてきたってわけさ。実に都合よく希望通りに此処に君が来てくれて助かっているよ」

「…まあ、いいでしょう。ところで探し物は見つかったのでしょうか?」

「いや、今、真霊たちに探させているところだよ。もう暫らくかかるかもしれない。そうは言っても此処や上界は、下位界、つまり現世とは時の流れが複雑だから現世から見れば一瞬の事と思えるかもしれないけどね」

よくわからないが目的はなんとか理解できたようにシャーラトンは思えた。

「私が此処に来たのはどうやって知ったわけですか?」

「そう、さしむ…見覚えのある輝きが目に止まったからだよ。他に他意はあるわけがない」

もうどうでもよくなったシャーラトンは、まだ時間がありそうなことを思い、この際聞けることは皆聞いておこうと考えた。

「まだ、聞いてもよろしいですかね?」

「ああ、答えれることは皆答えるよ」

「もう、答えたくなさそうなことは聞かないので…。今の私やお頭たち、あとは周りに現れては薄れてゆくものが、輝く珠状なのはどうゆうことでしょうか?」

その問にエイブの輝きが身を乗り出すように正面に移動した。

「霊の力は、魂とも言って構わないのだが、その霊質の色、霊力の奥深さによって見た目が変わるものなのじゃ、力が大きければその輝きの大きさも増し輝き自体も明るいものとなる。色はその霊の持つ固有の性質や癖などを表しそれぞれに沿った色の珠状の輝きとなるのじゃ」

「では、お頭の輝きやエイブ様の輝きが漆黒に黒光りしているのは、黒き力の持ち主とゆうことなのですか?」

「黒色とは何も儂らが腹黒いわけではなく多くの性質の輝きが混ざり合って黒く見えるとゆうことじゃ。腹黒いわけではない」

「………」

「ちなみに小僧の輝きが白く色が抜けているのは、他の性質を兼ねていないとゆうことであり、それさえできれば色も付き死せる魂とは違い輝き続けられるのじゃが…」



「…できれば…なんですね」

その言葉にシャーラトンは、重々しくゆっくりと瞬くしかできないでいた。




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