至宝の探索 9 (ファンタジー小説   シーフ 賊と呼ばれた男)


「ここでいいのか?」

「迎えが来るはずだから構わないよ」

そう応えたブラーは、再び以来組合の大きな建物前で馬車から降りる。

「ではまた、三日後にここで」そう声を残し馬車が帰ってゆく。

おそらくこの言葉少なめな男が、アルヘムのノウムのもとに直接戻ることはないだろうが何かしらの接触はするだろうとブラーは考えた。


『お前たち揃っているか?』

エイブの口で直接心に問いかける。

ブラーのもとに数騎の気配が集まりだす。


ブラーはエイブが簡単に今回の依頼内容を内話している間、その中のひとつの気配に描き出した自らの口を用いて声をかける。

「ハッズ、馬車のあとをつけ中の男を見張っていろ。随時、報告も怠るなよ」

気配の一つがブラーより離れると別の気配が伴ったものを引き連れ現れた。


「リブラー助かるよ、馬車は乗り心地が悪くてね」

「いや別に頭、こいつ…メジュースが勝手についてきただけですけど」

ブラーと同じ顔をした男が馬の姿を象った半透明の生物をみやった。


「可愛い奴だよジェイル、君は本当に」

自らの顔に戻ったブラーはその生物の首を愛おしげに撫でる。

生物の中に宿っていたジェイルと呼ばれた真霊が悦ぶように漆黒に瞬いた。


「じゃあ帰ろうか森に」

漆黒の毛並みの馬と化したその生物に跨りブラーが声をかける。

その言葉に応えるかのように数騎の馬上の男たちはブラーにつづき、依頼組合の建物を後にした。





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