至宝の探索 8 (ファンタジー小説   シーフ 賊と呼ばれた男)


いかなる力、権力であろうか、本来なら手続きやら何やらで足止めを食らう入国の際の厄介事も素通り出来たブラーたちは、早々に案内された館で三人の男を前に待たされることとなっていた。

正しく言えば馬車に同乗した案内人は部屋の外で控え、ブラーを待たせているのは見知ったノウムなる男ではなく目の前のフードを被った尊大な男と横の無関心を装った日焼けの男であったのだが。

面倒だなといった顔つきを描いたままブラーはフードの男の弄るような力の流入と日焼けした男の計るような視線がやむのを待っていた。

「…で依頼とゆうのは?」

おそらく依頼主と思われる明らかに東国の男と見受けられる魔術師に向かいブラーは訪ねた。


「きさまのような低俗な賊にこれを紐解けるとも到底思わないが、訳あってこの場でこれを解くしかないのでな…きさまにできるのか?」

他人の記憶は覗き見ることはできるのに、目の前のものを読むことさえもできないのかとブラーは本心から呆れ内心を忠実に描いていた。

横の男はその表情を読んでか見物と洒落込み笑いを浮かべている。

「できませんね」ブラーは即答する。

その答えを聞いてどうだと言わんばかりのフードの男は、日焼けの男をみやり口を開く。

「ならば仕方のないことだな、これでは…」

「何の手立てもなく此処まできたのか?主は」慌てたように口を挟む日焼けの男。

「私はこれといった力も持たない低俗な者でありますから何の道具もなしに、この様な太古の記録『タキュームの至宝への道しるべ』なるものを紐解くことはできません。それなりの道具があれば可能ですが…例えば西の国の破邪の剣とか、あとは…」

問うように日焼けの男にブラーは答える。

素早く考えを巡らし男が即答する。

「その剣ならば何とかなる、あとはなんだ?」

「あとはですね、東の地にあるといわれる開放の指輪が…」

「きさま…何故その名を」

フードの男の問いかけにブラーは答えず言葉を続ける。

「その二つがあれば力なき私であろうとこの太古の心霊が刻み封印を施した石書を、幾重にも張り巡らされた罠を外し紐解くことが可能かと、それなしにはこの依頼は受けかねますけどね」

「二日だ、二日あれば剣は用意できる。その指輪とやらも盟約に従い用意できるだろう」

最初はブラーにそのあとはフードの男に視線を移しながら日焼けの男は応える。


「テルセウスはいるか?」日焼けの男が外に向け大声をあげる。

「閣下、ここに」

武器防具の身を固めた武人が部屋に入り、日焼けの男の前に膝まづく。

「至急帝都に向かい陛下に破邪の剣を賜って来い。俺の名と盟約のためと申し上げることを忘れるな」

その言葉に承知し武人は部屋を出てゆく。


そのやりとりを忌々しげに眺めフードの男も何事かをつぶやき始める。

「儂の方は三日だ。そこまでぬかすなら最後までやり遂げることができるのであろうな?」

「その先々の罠もありますでしょうがそれなりの用意さえあれば必ず。あと私の方も準備と自衛もかね人を呼びたいのでありますが…」

「好きにしろ、次は三日後だ。この時この場所に」

その言葉によりこの場はお開きとなった。




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