至宝の探索 6 (ファンタジー小説   シーフ 賊と呼ばれた男)


『いささかきな臭い話のようだな』

心うちにエイブの声が響く。


『アルヘムと言えば東の魔国と西の烈国を結ぶ神の道の中ほどの都市。その利便性と程よい距離において両国の思惑からまるきり外れるか重なるかとゆう地だ。かつての我らの都のようにな』


エイブの声にブラーが自問する。

『それは先程の霊天の古い記憶の中の天空界の一つだと示された名が、重要な意味があるとゆうことでしょうか?』

『そうだな、タキュームなる名は残された古の創世国の両国にとって関係があるとゆうことだろう』


『かつての我らが都とやらにはその名は残されていないのでしょうか?』

『かの記憶の中には我らが都と関連のある天空界は他の名とされておる』

ブラーは敢えてそれに触れることなく、内なるエイブに続きを求める。


『ではつまり?』

『両勢力にとって非常に興味のある事柄だと思う。その依頼とやらは』


ブラーはため息をつく。

因縁の残る盗賊団はもとよりシーフとしてのブラー個人としても、魔導を背景に周辺を併合しようと目論む東の王国と比類なき武力を用いて大陸を支配しようと夢想する西の帝国は思い返せばいつの時も厄介な相手だった。

できればまるきり外れていればいいのだけどとブラーは都合良く願う。

無論そんなことは心うちとは別にどんな表情でも描けるその偽りの顔に浮かべることをすることもなく。



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