シーフ 賊と呼ばれた男

至宝の探索 3 (ファンタジー小説   シーフ 賊と呼ばれた男)

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人族でなく真霊宿であるブラーも、家族としての盗賊団においては立場もある。

本来は忌み崇められる霊宿としてではなく人として霊友者であったエイブに育てられた彼は、それに恩義を感じており双在する繋魂の真霊エイブもそれを受け入れている。

それでも彼の主魂はその自由な気質を持ち、その役割に支障がない限り自由な生き様を選び、依頼組合においてはシーフを描き席を置いていた。

シーフとして描かれたブラーは、霊宿の力を用いて組合に多大なる功績を残し、その認証にそれを刻み名をあげることとなっていたのである。

失われた王国の名を抱く盗賊団の頭目には至って特別な役割もなく、配下のものだけでも存続と運営がなされていたこともあるのだが。


「頭、俺たちの出番はありますかい?」

霊宿の力をして描き出されたその耳に先程の男の声を捉える。

「そうだねえ…話の内容を伺わなけりゃ何とも言えないけど、ノウムと名乗った男の心の中にタキュームとゆう言葉が浮かんでいたから手をかりるかもしれないな」

描かれた口を持って答えるブラー。

「タキュームってのはなんですかい?」

「何か古の滅亡界の名前らしいよ、エイブによると。何れにしても金になるなら引き受けるつもりだけどね」

「まあ、そうゆうことならこの酒場で暫らく飲んだくれてることにしますよ」

「ほどほどにね、シャーラトン」

そんな常人には想像もつかないような会話をしつつブラーは待ち続けた。


『それにしてもその名は』

『なにがだい?エイブ』

『この下位界で聞くのは千年ぶりだ』

『へえーそうなんだ』

内なる自身どうしの会話の中にエイブからの記憶がブラーへと流れ込む。

それは今までの記憶とは違う異質な世界のものであった。




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