シーフ 賊と呼ばれた男

至宝の探索 1 (ファンタジー小説   シーフ 賊と呼ばれた男)

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感じる

………

きこえる?


何かを感じたのは目覚めていたからであろうか?。

遠い遠い忘れ去ったはずの記憶、深い深い埋もれていたはずの記憶。

そんなものの中から引き出した答えは、視線と云う言葉であり、音と呼ばれるものだった。

この閉ざされている場所この暗闇で、掘り起こされるものは無念と無情と無限とも思われた時のながれであったのだが、その忘れていたものものを、何かが呼び覚まそうとしている。

その思いと、自身とともに。




奥深いと言えば一言であったが、一言では言い尽くせないほどの深く荒れた荒ぶれた森の奥で、異様に開けたその場所にそれはあった。

それまでの道のりが嘘のような静かなる広場に。

それまでの争いが夢であるかのような穏やかな広場に。


多くの時間の果て多くの犠牲の果て、その広場にそれは存在していた。


屋根もとれ、ただの荷車と化したぼろぼろの馬車とくたびれた人影。

それを先導する僅かばかりの従者。

その先頭を務める一人の騎乗の若い男が、その広場のそれの前で後続を押しとどめる。


「お頭?ここですかい?」

続く馬上の男が若者に声をかける。

その鎧も馬も何もかもが血まみれであった。


「騎士のシャーラトン君、ここではその呼び名は…」

鎧の男とは違い、こざっぱりとした若い男が返事を返す。


「…失礼しましたブラー殿、客人方もそれどころではない様子なので」

「まあ、ここまでの事があれだったからな」

後ろの馬車の様子をちらりと見たあと、仕方ないとばかりに肩をすくめる男。


「臨時パーティーである我々への依頼はあくまでも探索であり、古のタキュームの至宝を探し出すこと。それ以上でもなくそれ以下でもなく、護衛や命の保証などは報酬には入っていないからね」

「報酬分は此処までと云う事なのだけど、客人の命があるだけでも報酬外の事として感謝してもらわないとね」

そういった言葉に騎士と呼ばれた男も頷くばかりだった。





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