伝説の魔道士と全知全能の石 7th 

─ 光の島々 本島内 静寂の森 ─


奥深い森の中、古城の一室で溜め息が響く。

「どうかなされましたか?道士様?」

「いや何でもないのだよルナン、ただあの者はやはり7thの再来だとゆうことだけさ」

「7thですか?」

「そう、全ての始まりを託された七賢神の生まれ変わりがいたんだ。六番目の冥府の番人Arcがいたのさ」

白装束の若い青年は、小鳥のような少女に優しく応えた。


「そう、かつて冥府を守護していたアークは寡黙で控えめだったけど、この時代の彼は少し違うようだね」

「と、申しますと?」

紫の少女が無邪気に問いただす。

「器となるものによってだと思うけど、闇の帝国の司祭でもある彼はずいぶん野心家みたいだ。人というものは神とは違い欲望によって行動を起こすもののようだから」

「その彼が、Arcのバイタルフォースを操るとなると、やっかいなことだ」

言葉とは裏腹に青年はのんきな顔で応える。

「恐れ入りますが、そうゆう風には聞こえないのですが」

「いや、困っているさ、煩雑で時間が掛かりそうだからね」

「貴方様に時間などは、問題にならないでしょう」

「そうだったかな」

「そうでございます」

「ルナン、覚えておくがいい、周りから見て一瞬の出来事に見えても、当人にとっては気の長くなるほどの試行錯誤の繰り返しの場合もあることを」

「結果的にはさほど時間が進まなくても、そこまでに至るには何百年も掛かるかもしれないのだよ」

「普通の生きもの相手には、百年掛かったものを三ヶ月くらいに見せかけるズルをするのさ、相手は有限で短命だからね」

「そうすれば、時間的にそれだけで澄んじゃった事になるから」

「ルナン、キミにもいずれできるようになる、ボクと一緒に永劫の時を過ごしていけばね」

「そう願いたいものです」 少女は囀りのように微笑んだ。

「そもそもボク以外の賢神たちは創生の役目を終えた時点で、それぞれの地で眠りにつきバイタルフォースも精霊の元へと還元されたはずだったけど」

「リライブされた器に集約されつつあるみたいだ」

「貴方様はお眠りにつかなかったのですね」

「ボクには彼等のように創生の役目はなくて、その後の世界をただ見守るだけが役目だから、ボクはいわゆる歴史の目なのさ」

「ボクには彼等のような特質した力などはなくて、何もないただの隠居のようなものだよ」

「そんなことはございません、今まで起こした数々の奇跡などをみていればそんなお言葉は納得がいきません」

「ははは、それでも7thの端くれだから限りあるものとは少しだけ違うのさ。それに何も持たないという事は、全てを手にするかもしれないという意味もある。永劫に存在を続けていれば、自然に身につくものなのだよ、あの輝石のようにね」

白の青年と紫の少女の会話の間も刻一刻と闇の帝国の船は、呪われた島へと近づいていくのであった。


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