祝福 (ファンタジー小説 世界 19)


食事を終えた二人の間には、妨げるものなどなくブラブリアは見据えられたまま身動きさえできなかった。

「我らは悠久の時より世界を導きしもの、そなたの疑い憂いをはらすよう、わたくしがこの国の支配者たることを証明します」

ペリッシュの言葉と共に室内に圧倒的な威圧が満ちた。

その耐え難い重みと湧き上がる恐れに頭を下げたブラブリアにペリッシュは言葉を続ける。

「長き時の間に力を失いし下僕の末裔よ、この真の支配者たるわたくしが新たに祝福を授けます。そなたは折れることのなき無数の我が剣、これよりその力を用いて我が道を阻むものを打ち払うべく無敵の露払いとなるのです」

ブラブリアの身体と瞳に馴染みとも言える力が宿った。それは以前とは比べ物にならぬ大きさであり、変わらぬ強大な威圧と威厳の中、改めて彼は忠誠を誓う。

「マイロード、授かりしこの”重在”の力を用いて必ずや」


「では、参りましょうか我が居城へと」

そう言ったペリッシュが立ち上がり、部屋を後にする。

後を従うブラブリアには、迷いや朝までの悩みなどとうに消えていた。


「聖主様何処へ?」

歩き続けるペリッシュに正宮内の者たちが何人か声をかける。

「城に」

そう答える言葉と寄り添うように従う武人の無言の圧力に、誰も阻むことはなかった。

ざわめきだした正宮内を黙々と歩き続ける二人。

「これでよろしいのでしょうか?理由も事情も示すことなどなく」

結果的にあの王であったモノの思惑通り聖女様を城に連れ出すことになったなと思いながら、その行為の後の影響も考えブラブリアがおずおずと声をかけた。

「このような者共など放ってよけば良いのです、後にそれなりの処遇をしますから」

「御意」

歩みを止めることなどなく、顔を向ける素振りさえないペリッシュの言葉にブラブリアはただ承知の意だけを返すこととなった。



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