SF小説 バッドエンド

2015年3月 その2(SF小説 バッドエンド)

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月が変わった今、僕は余りにも変わってしまった僕の状況と心境にようやく追いつけた気がする。

兎に角二月は色々ありすぎた。

色々とのことがらは、そう、あの日、最初のバッドエンドとも言える二月一日の日のことからだ。

自称タイムリッパーと名乗る六年後の僕”リュート”との出会いからそれは始まった。

それは特別な日、幼馴染からの強い押しもあって、その頃から気になり始めていた同学年の女子と初デートとなる記念すべき日だったのだけど。

はっきりと思い出せるリュートとの最初の出会いを。

その日のデート先であるイベント会場に向かう電車の駅でリュートは僕に声をかけてきたんだ。

その前に起こったこと、今では理由がわかるそれは、滑り込むはずの電車が見え始めた頃に訪れた。

ゆらりと歪む感覚、丁度微弱な地震でも感じたようなそんな気持ち悪い感覚、それが僕の身に通り過ぎたあと、リュートが現れ僕に言葉を告げた。

「ボクはリュート、荒川流人、未来の君だ。十二年後の終焉を少しでも良くするために、六年前のボクである君の手助けが欲しい。…信じては貰えないかもしれないけど」

なにか疲れたような顔をしていた年上の青年の発した、そのふざけた言葉を僕はあっさりとスルーした。

「えーっと、そうゆうのはいらないから、他の人にしてください。僕は忙しいので」

一言だけ即断し、僕は滑り込んできた電車に乗り込もうとした。

「やっぱりこれは、何度やっても変わらないな。でも、そのあとのことを変えないとまた、存在が希薄になるから」

多分そんな言葉を呟いていたのはリュートだったのだろうけど、背を向け電車に乗り込む僕には確認ができなかった。

そんなことよりもこのあとの方が大事だったから。

望み薄な未来、ありそうにもないハッピーな日々の妄想に僕は思いを寄せていたからだった。

だから再び、ゆらいだあの嫌な感覚が繰り返されたあと振り返ったホームに誰もいないことに気づいても気にならなかった。

そしてアイツ”リュート”のつぶやきがそれから起こる最初のデッドエンドの始まりだなんて思いもしなかったんだ。


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