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聖女の告白 (ファンタジー小説 世界 12)

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「失礼します。大変お待たせいたしました閣下」

悩みの迷宮に囚われていたブラブリアを救い出したのは、うら若き優しい声であった。

「…聖女どの?」

扉より現れた姿にブラブリアは思わず声を漏らした。

「聖宮教の聖主を務めております、ペリッシュと申します。初めまして大将軍閣下、聖主でも聖女でもお好きに呼んで下されば良いですけど、できましたらペリッシュとお呼び下さいませ」


まだ少女ではないか…
ブラブリアは思った。


王国には珍しく聖宮の信徒でもある彼は、聖女とも呼ばれる聖主の存在は知っていたが、公務に明け暮れる日々に追われていてその容姿までは知らなかった。

様々な聖宮教の式典や行事は一族の他の者に任せっきりだったのである。

そういえばサゲシティの奴が前に幼女が聖主に選ばれたと言っていたな…
ブラブリアは改めて息子の言葉を思い出した。


「それにしてもペリッシュ聖主どのは…」

「…若すぎる…とお思いですか?何せわたくしに神託が降りたのは十にも満たぬ頃でしたから」

その優しき笑顔を崩すこともなくペリッシュが応える。

「失礼いたした、年齢など…。その選ばれた御力が備わっておればですな」

選ばれた限りは、類まれなマドなり祝福を受けているのだろうと思いそう告げる。

「お恥ずかしい限りです。わたくしの出来る事と言えば、先代様と比べれば大したことなどないのですから」

「ご謙遜を、数々の聖なる治癒行為や救いようのないほどの罪人を更生に導いた逸話などこの信心薄き某でも聞き及んでおりますぞ」

時折伝え聞く数々の奇跡を思い出しブラブリアが述べる。




「そのような事実はございません」

静かにペリッシュが語る。


「えっ?」

違和感を覚えながらブラブリアは、聞き間違いかと思わず声をあげる。

何故か聖女の声は遠く、その可憐な姿さえ朧げに感じ始める。



「だから、そんな力はねえって言ってんだよ。”治癒”とか”魅了”とかの半端なマドや祝福なんてぇのはな!」

遠ざかる意識の中ペリッシュの嘲りだけが響いていた。




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な……何が起きた……??(^_^;)
気になります!

椿さん今晩は~

> な……何が起きた……??(^_^;)
> 気になります!

主人公でもある クルアの方も書かなければならないと思い

その答えは 先送りにいたします^^


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