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蘇る記憶 (ファンタジー小説 世界 3)

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「アブソンスが亡くなったのは本当だ。辺境のチアルで久しぶりに隠蔽の光が灯り消えた。ちなみにその時対峙するかのように大きな光が二つ。それに異様に点滅する幾重にも重なった光が一つ。点滅する光は隠蔽の輝きが消えるとともに輝きを失ったがな、それがお前さんだ」

モンドと名乗った男の言葉は、意味深い謎かけのように聞こえた。

「…十年以上前突如王国の歴史に現れた姿なき暗殺者を、我々王国マド師団は最初、複数の一味だと考えていた。進出鬼没で毎回違った様々な手口を使う暗殺者集団だと」

男の言葉は回想を交え、僕の問い掛けから外れ出してゆくようだったが、僕は真実を世界の真実を知るために黙って聞くだけだった。

「王国の直属の武力を、そして王国において選ばれし我らマド師団のマドの力を用いても何一つ正体を暴くことさえできなかったのだ。幾重もの罠を張り、幾人もの犠牲を出して炙りだせたのは、まだ幼い少年ただひとりだった。手柄を焦った我々は、ただ幾つかの暗殺の現場に繋がっただけのたった一人のその少年を確証もなく捉え、牢へと閉じ込め尋問を繰り返した」

男の話を聞かされている間何故だか自分の世界、今まで信じてきたはずのものとは違う世界がうっすらと見えてくる気がしていた。

「当時は自分の力を過信し放漫さに焦っていたのだろう。マドの証である片眼でさえなくマドの反応の欠片も無き凡庸な幼子に戸惑いながらだ」

その言葉を聞いた僕は、目の前の横たわる男に確かに見覚えがある事をはっきりと思い出したのだった。



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