援交記

K子 2  (小説 援交記)

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人々を眺めながら改めてメールを送信してみると、立ち並ぶ中で携帯を開く女性がいた。

「はじめましてでいいのかな?K子さん?」

僕は近づいて声をかけてみた。

サイトにおいて彼女の写メは非公開ではあったが、僕の方は公開してるので気づいてくれたようだ。

「どう?私?」

僕を眺め改めて自分の様相を少しばかりチェックした彼女が、僕に感想を聞いてきた。

「お綺麗な方でよかったです、僕なんかよりは随分若くて」

おざなりの世辞を述べ、作り笑顔を浮かべた僕は、ひとまず腰を落ち着けることを提案してみた。

あまり聞こえの良い事ではないが僕にとって美醜や年齢など興味も意味もなく、ただボク自身の不安、孤独ゆえの不安を消せる相手と時間があれば良かったのだ。

無論こんな事を正直に告げるほど若くもなく愚かでもなく、経験がずるい嘘を騙りだすのだが。

駅構内の喫茶に二人で座る。

ふたり分の飲み物を頼み一息ついたあと、この地に不慣れな僕は素直に彼女に問いただしてみる。

「できれば、休憩先を決めてください」と。

「それじゃあ知ってるとこがあるから、其処に行こうか?」

暫く考えを巡らせたあと彼女はこう僕に告げた。

こんな事が僕にとって当たり前のように、彼女にとっても日常であるのだろう。

少しだけ派手めの姿をした平凡な顔をみて、僕はそう思い立った。

駅を出て南口にあるタクシー乗り場へと向かい、待ち並ぶ車の中に乗り込んでゆく。

彼女が行き先のホテルの名を告げると車は混雑する通りに滑り出した。

到着までの間彼女は普通に世間話をふり、子供の事仕事のことなど屈託なく話しかけてくる。

そして僕もごく普通の受け答えをし、この後のお決まりであろう淫猥な時間など忘れたかのように喋り続けていた。


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