ラミアと云う名の少女 (ファンタジー小説 気が付けば大魔王 5)

author photo

Byフラメント


どれほどの時が過ぎたのだろうか。

内なる殻を破り私を引き戻したのは、夢からの目覚めではなくイケメンの声だった。

「それで、アミどの…いや、アミ様。あなたはご自分がどなたであると主張なされるのですか?あなたが思い描くご自分の姿を強く願い、わたくしめに見せていただけないものでしょうか」


「私は亜美よ…こんなへんなオヤジじゃなくて」

イケメンの声に惑わされたように私は呟いた。

小さな声でしかなかったけど、それでもできる限り自分を強く強く念じながら。


何故かそのあとの返事が、イケメンから返ってこなかった。

そこで、懸命に目まで強く瞑って念じ続けていた私は、おそるおそる瞼を開きイケメンの方を見ることにした。

そこには、鏡に映った見覚えのある私自身の顔に声が出ないような感じの彼がいた。



「…ラミア様…」

イケメンは長い沈黙のあと、やっとそんな言葉を絞り出してきた。

「えっ?これが私。魔王とか魔族じゃない人間の私、亜美なんだけど…」

イケメンの言葉に引きずられた私は、少しばかり自身をなくしたように言った。


「アモン様の亡くされた娘…ラミア様が何故…」

「もう一度言うわ、これは私の顔よ…」


再びあげた私の抗議の声にイケメンが我に返ったみたい。


「失礼しましたアミどの、私の知っている方に似ていたので…」

「あなたの知ってる人?あっ魔族か」

「本来、人と我ら魔族には生き物としては大差がありません。多少の長寿と魔力の差ぐらいのものです」

(それって、大きな違いよね)

私は彼の言葉に思わず心の中で反論を上げていた。


「見てもらえますか?私の覚えているラミア様を」

そう言って映し出されたものは、私のよく知っている少女であった。

結んだ長い髪、くりっとした眼、ドヤ顔で得意げなそれは、ちっちゃな頃の私のまんまだった。

髪の色と瞳の色がちょっとだけ違ったけど。

実家の方で、写真にたくさん残ってるはずのその少女を、イケメンはラミアと言って譲らなかった。

そんな彼の言葉を聞くうちに、お転婆でませていたあの頃の私は、悪く言えばわがままな魔王のようだったことを何故か私は思い出す。

そして先程からのアモンと呼ばれるオヤジの雰囲気が、私の本当の父親、実家に住むオヤジどのに似ていることにも気づいてしまっていた。


関連記事
スポンサーサイト
Share

Comments 2

椿  

タイトル

こちらも大変続きが気になるお話です。
この相似の謎はいったい?
更新お待ちしております。

2015/01/01 (Thu) 22:51 | EDIT | REPLY |   

フラメント  

お早う御座います椿さん


珍しく 色々と考えながらの執筆なので

長い目で 長い目で お待ちくださいませw

2015/01/03 (Sat) 06:30 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

小説  鬼畜   (6)
世界 改訂版 (ファンタジー小説) (1)
小説  サンドラ (1)
恋愛小説 (16)
乾き 改訂版 (8)
蒼き日々の情景(私小説) (5)
ベイサイドペイン (3)
気まぐれ短編集 ブラックブック (8)
改訂版  娼婦はなんでも知っている (1)
娼婦は何でも知っている(Rファンタジー) (51)
援交記 (4)
小説 メロンパン(悲しき現実) (3)
戯言 (暗い詩) (1079)
詩・散文 (953)
嘆き (131)
君に(大好きな君に捧ぐ言葉) (90)
詩 (642)
七分 (56)
つれづれなる散文 (19)
ファンタジー 魔導人形シリーズ (38)
冥府の守護者 (2)
荒ぶる人形 (4)
凍てつく人形 (6)
人形使い ~グレムと楽しい仲間たち~ (18)
オールドファイター(ファンタジー) (7)
人魔再戦 (1)
ベアルドナルドラ物語(ファンタジー) (31)
全知全能の使役師 バンズ(ファンタジー) (20)
旅の少女(ファンタジー) (1)
ファンタジー 輝石シリーズ (17)
泣き虫王子と三つの輝石(改訂版) (2)
輝石物語 (10)
Legendary Mage & Almighty pyroxene (5)
遷都物語 (10)
ジェノサイダー (4)
ミンストレル (1)
雑記 (350)
官能小説 (72)
虚構の夢(官能小説) (22)
被虐のうた(官能小説) (23)
荒廃(官能小説) (10)
被虐の夢路(官能小説) (2)
爛れた日々(官能小説) (0)
ラバーズ (官能小説) (5)
改訂版  下衆 (官能陵辱小説) (7)
官能小説 エイリアン (3)
砂(小説) (0)
小説 水ケ谷探偵社事件帳 (0)
小説 終春 (0)
カウンセラー (0)
挨拶 (2)
SF小説 さよなら人類 (1)
真夏の幻影 (6)
故郷 (0)
陽炎のように (1)
よろず何でも相談社 (6)
サッキュバスの惑星 (5)
魚人の街 (3)
S級エージェント ファルコンズアイ (2)
プチーツァ (4)
浅ましき夢をみし (1)
ノイズ (SF小説) (5)
戦乱の時代 (1)
堕ちゆく世界と慈悲の女王 (3)
メトロの住人達 (スパイラル銀河 アルタイル) (10)
異界転生 (ファンタジー小説) (2)
シーフ 賊と呼ばれた男 (20)
真昼の月と夜の海 (3)
小説 バイオール (2)
何か (擬似恋愛小説) (4)
ユニーカーズ 苦労人な私 (ファンタジー小説) (2)
世界 (20)
ギミック 最悪なパーティーがゆく (ファンタジー小説 (1)
イケメン彼女 (3)
原罪 (2)
漆黒の邪龍 DirtyDrgon (8)
気が付けば大魔王 (5)
ファンタジー小説 パールパピヨン (2)
転生 (2)
記憶 (3)
SF小説 バッドエンド (2)
小説  GENZI (1)
ジゴロ (3)
プロジェクト AF (1)
小説 エセエス (1)
詩ですらない何か&自己満足 (1)
小説 思い出 (3)
詩人の愛 (1)
小説 ブロガー (1)
好きなもの (1)
トレデキム   漆黒の邪龍 ダーティードラゴン (11)
埋没   ~ セフレ以上恋人未満 ~  (恋愛小説) (1)
迷子  官能小説 (7)
ブラックブック 短編集 (1)