世界

終わりの始まり   (ファンタジー小説 世界 1)

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「クルア、キミができないのなら私が自らを…」

その最後の言葉がボクの中に、ただ渦巻いていた。

諭すように、試すように、そして騙すように。

昨日からのできごと。

別れと始まり。

始まりの出会いと、唐突な別れ。

ボクはその渦巻くばかりの言葉を吐いていたはずのものを、ようやく掴み上げた。

そして、聞いたばかりの綻びより漏れ出す力で中身だけを重くしたあと、内側だけ高めた渾身の力で牢屋の壁に叩きつけた。

あらゆるマドの力を寄せ付けなかったはずの壁はあっけなく崩れ落ち、そのモンドが横たわっていた粗末な寝台の枕の上にあったものは、横たわるばかりの身体に別れを告げ、赤い飛沫と共に奈落へと飛び落ちてゆく。

後を追うようにボクも、ボクが居た世界へと帰るために荒ぶる波がまつだろうへ奈落の底へと身を投げ出していた。

ボクが居た世界がもう無くなってしまっているかもしれない不安を抱きながら。




昨日までボクは、世界とゆうものをこの凡庸な瞳で眺めるだけだった。



「クルア、朝飯など早いとこ済まして、聖宮に収めるための花の積み込みを手伝わないか」

おもてから父さんの声が響く。

「すぐ行くから」

そう答えた昨日の朝のボクは、その日が去年とも一昨年とも同じような時期の朝でありそれが来年も再来年も続くのだろうだなんて浅はかな考えに囚われていたのだ。






クルア 凡庸な瞳を持った少年 辺境に住む ホコロビと呼ばれる

モンド 褐色と赤色の瞳 マド クラス=ツイナ 全知と全明の祝福のマドの持ち主





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