ジゴロ

ヒトミ 飼い主の女 3

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出すものを出してすっきりした俺はベッドから抜け出してシャワーに向かう。

勝手知ったるひとみの部屋の何処に何があるかなんてわかっちゃいたが、ベッドに伏せたままのひとみにそれでも声をかけてみる。

「タオルはどこだ?」

「いつものとこにあるわ」

くぐもった返事を確かめて俺はそいつを一枚手にして浴室のドアを閉めた。

熱い水流が、程よい気だるさと淫靡な汗を流してゆく。

身も心もさっぱり出来た俺は、今日一日をどんな風に過ごすか考え始めていた。


シャワーを止めタオルをかぶり髪から適当に拭き始める俺。

あらかた雫が拭き取れたところで腰にタオルを巻いた姿でドアを開けようとすると、ひとみの奴が別のタオルを手に待ちかまえていた。

「ちゃんと拭かないとダメでしょ」

そう言いながら上から下へと身体を拭いてゆくひとみ。

ご丁寧に巻いたタオルまで剥がされてのことだった。

あとは服を手渡され外出の有無を聞かれる。

「ああ、ちょっとばかり出かけるつもりだ」

浴室での考えを思い出し俺は服を着始めながらそう答えた。

「それじゃ今日の分。これで足りるかしら?」

そう言って渡された茶色い札を俺はポケットにねじ込んだ。

「今夜は戻るの?」

「そんなのはわからないな」

覗き込む顔から目をそらし俺は冷たくそう答える。

早々に靴を履き出がけに一言だけ俺は付け足した。

「それでも朝には帰るから」と。

そんな俺の言葉に明るさを取り戻した挨拶がかけられる。


俺はジゴロ。

屑なりにそれでも最低の気をつかう。

それが屑の手口だとあからさまであっても。

そんな最低な俺はふらふらとざわめき立つばかりの街へと今朝も向かって行った。


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