ミリムとベイル 1

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Byフラメント

「取り敢えずここに致しましょう」

街につき、そう多くない住居を見渡して宿の前でベイルが言った。

「ここの他に宿なんてないみたいね」

ベイルとミリムが云うとうり、宿らしきものはこのちいさな街ので他に見当たらなかった。

ギルドからの、いやグランドからの要望の案件の最初の場所は、この先の村らしいのだがそこには宿すらなく、多分、彼なら宿代わりに使えるであろうギルドの支部もないらしい。

「人が揃うまで腹ごしらえでもしない?」

肝心のグランドがいないため、私たちは泊まる部屋などは後回しにしてミリムの提案通り食事のできそうな宿の中にあった食堂に向かった。

見た目は人と違いのわからないミリムの発言に私は、その言葉の持つ違和感に直ぐには気付けなかった。

昼時で人の賑わっていた食堂で空いている卓席に座った私たちは、宿の者らしき男に声をかけられる。

「食事なら今日の昼はシーヴァカウン(森林魔牛)の腰肉のスープだ。飲み物なら草茶か麦酒のどちらかだ。代金は泊まりの部屋代と一緒でいい」

男の言葉にベイルが応える。

「じゃあ、そのスープと草茶で」

そして何故かベイルの隣に腰掛けたミリムも答えた。

「私も彼と同じものを」

昨日からの目まぐるしい展開に食欲のない私は、草茶だけを頼む。

席は当然のように向かい側だったが。

ほどなくして卓の上に並べられたものをベイルが普通に食べ始めるとミリムがその口元を見つめながら問かける。

「ねえ、ベイル、私たちの口にしたものはどうなるの?」

その言葉に、ドリムである彼らが食事をとることの不可思議さに、私はようやく気づいたのだった。

「グリム(魔道人形)の動力源は主に魔石とかに集約された魔道の力だとゆうことは知っていますよね。ドリムも同じです。魔石と言ってもそれらを束ねた魔核ですが、もちろん魔核を口から摂取するのではなく魔道力をを術式などで補填するわけです。ですが凡庸型のドリムでは、普通に食べ物から摂取します。口から食べることによって」

私の表情に気づいたのか、ベイルが私の方をみながら説明を始める。

「へえ、だから私もお腹がすいたりするんだ」

ミリムが説明とは違う質問を始める。

何が言いたいいのだろう…

それとも、何を聞きたいのか…

相変わらずミリムはベイルに寄り添いながら、彼の方ばかり見つめている。

その媚びるような姿に私は、たとえようのない小さなものを感じ始めていた。

「それは、普通はありません。量的には平均の食事を与えさえすれば働き、少なければ働かない、活動が困難になるとゆうことですけど」

「ボクもグランドも、…それとミリム貴女も、グランドが特別に用意した制約された凡庸ではないドリムですから、オリジナルの主格と同じようにいろんな欲もわき食物も食べることになります。面倒ですけどね」

私にはベイルの答えが、ミリムの最初の質問の答えにはなってない気がして、更には私の中の小さなものが少しづつ大きくなってゆくことさえ感じ始めていた。




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Comments 2

椿  

NoTitle

同じ人間が二組ずつ……。

三人人形とはいえ、奇妙な関係になりそうですね。

2014/10/22 (Wed) 22:09 | EDIT | REPLY |   

フラメント  

椿さんこんにちは~

> 同じ人間が二組ずつ……。
>
> 三人人形とはいえ、奇妙な関係になりそうですね。

人形ばかりになりそうな予感でありますww

2014/10/26 (Sun) 13:50 | EDIT | REPLY |   

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