「ファンタジー 魔導人形シリーズ」
人形使い ~グレムと楽しい仲間たち~

魔窟 エリア5 最深部  三日目 そのあと 5

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誰もが知っているように魔石とは文字通り、魔獣が身体に一つは持っている石のことだ。

俺でさえも一度見かけただけの眠れる畏敬の魔獣ドラグーも、其の辺の木々の枝でさざめいてる無害なフライブも、魔窟の深淵に撓み淀む異形のスタールでさえ、この小指ほどの水晶にも似た輝玉を内に宿してる。

獣と魔獣を区別するこの輝玉、魔道士が呼ぶところの魔石は、かの神話が指し示すように人々に害なすものとして魔獣を忘れることなく刻み込まれているのだ。

普段、多くの魔獣は人と争うこともなく諍いがあるとしても害獣ていどのものであるが、神話が語るように魔石を抱く獣として皆一丸となり、再び世界を取り上げる日が来るのを人は恐れているのだろう。

かつての、いにしえの魔獣神の手によってのことのように。


そんな思いにふけりながらも、ベイルのやつに俺は答えた。

「魔石なら魔窟での俺の取り分が山のようにあるはずだ。メンバーの一人であるシーフのノルウェイラットが売り捌いてねえ限りな」

「それは助かります、手持ちで足りなければ魔窟探査も考えてました。ググのパーティの補佐として」

俺はその言葉に愕然とする。

…そうだ補佐で良かったんだ

…そうすりゃこんな悩むこともなかった

と。

「でも、ググにお願いして探査に加わってみようかな?グリムの動きを確認したいしリアの戦士としてのレベルも図りたいし…ランスさんからもお願いできますか?探査は未経験ですけど一応ボクも上級クラスの魔道士ですから」

ベイルのやつの言葉に、俺は計算高く考え始める。

使えない木偶人形、言葉の通じない補佐レベルの戦士、アイテム集めしかやらないシーフ。

改めて考えるとひどいメンバーだ。

コイツほどの有名な魔具士人形士が云うのだから、手前の面倒ぐらいはこの女人形は取れるだろう。

賢者であるググが加わらない以上、上級魔道士は魔窟探査では必要なものだ。

女人形を片翼に並べてメンバーの防御にあたらせて、俺が切り込めばなんとかなるかも知れない。

守られた状態なら素人魔道士でもいないよりはましだ。

さっきの思いつきを、おいおい話易くもなるしな。

皆殺しとして注目を浴びていた頃の俺が戻ってきたようだった。

俺は此処まで考えを巡らし、勿体ぶってベイルに向かう。

「まあ、身体を何日か休めたあとでならお前たちの面倒も見れるだろう」

「その間にお前はは、お前の仕事を。俺は骨休みもかねてそのリアの相手をするようにだな」

「ありがとうございます、先ずはこの剣の具合を見てからそうさせてください」

「ああそうしようぜ」

なかなか素直なやつだと俺は思い、今度ははっきりと言葉にした。




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~ Comment ~

NoTitle

魔力の元となっている魔石は魔獣から取れるんですね。なるほど、ゲームっぽくて面白いです。

そしてランスさんにすっかりハマっている私です。
なんかもう……ツボすぎる。

お早う御座います 椿さん

> 魔力の元となっている魔石は魔獣から取れるんですね。なるほど、ゲームっぽくて面白いです。
>
> そしてランスさんにすっかりハマっている私です。
> なんかもう……ツボすぎる。

魔石については他の用途や力もあるのですが

おいおい其の辺も描いていくつもりであります^^
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