追憶 1  (ファンタジー 凍てつく人形   魔道人形シリーズ)

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Byフラメント

今では盟友のデュロスの住んでいる場所は、聞いた通りのねぐらと呼ぶのにふさわしい場所だった。

倉庫とも言える大きな建物の場所で降りたったボクたちは(正確に言えばボクだけであったが…)その工房にも匹敵するほどの大きさの建物をぽかんとしたまま見上げるだけだった。

マルスさんといえばそんなものは見慣れているとゆうふうに、扉に書かれた立ち入り禁止の文字など目にもせず、ボクを置いてきぼりにしながらも中にと入ってゆく。

「デュロス生きてるか?入るぞ」

ボクは既に中に入り込んでしまっているマルスさんに習い、恐る恐るその背中の影に隠れてるばかりだった。


「入口の文字が見えなかったのか!関係者以外お断りだよ。早くでて行かないと魔道人形の手によってつまみ出すぞ」

不機嫌そうな若い声が返事を返す。

「なんだ、居るなら出てこいよ。新型が完成したのならわしにも見せてくれ、その腕のついた奴を」

平気な顔で受け答えするマルスさんの背中でボクは事の成り行きを見守るばかりだった。

「脅しじゃないんだぜ………、なんだ親父さんか」

不機嫌な調子の声は変わらなかったが、奥から出てきた僕と同じくらいの若者の顔には笑みが浮かんでいた。


「…あのボクは…」

「親父さんならしょうがねえな、新型は腕だけ組みあがってまだ脚までは行きそうもないからまだ見せられるほどじゃないよ」

意を決して自己紹介をしようとしたボクはあっさりと無視されて、若者はマルスさんに話しかけるばかりだった。

「デュロス、相変わらずだな、わしから紹介しよう。こっちの若いのはベイルゼーブといって、うちの工房のルーキーだ」

「親父さんもしってるだろ?俺は人なんかに興味がないって」

マルスさんのそんな言葉にもこちらを見向きもしないで若者は応える。

魔道学園時代に各国から集まったいろんな奴らを見ていたボクにも、こいつがとびきりの変わり者だとゆうことが頷けた。

「まあ、そうゆうなよ、こいつは確かにうちの工房じゃあヒヨっ子だが、元はあの有名なクロスキングダムの魔道学園の出身だぞ」


その一言で目の色が変わった若者は、ボクに掴みかかり興奮した様子で話しかけてきた。

「お前、賢者なのか?」

「いや、違うけど…」

ボクを掴んだままで目の前の若者は、がっくりと首を落とした。

「…肩書きは次級だけど、上級魔法はなんでも使えるし詠唱なら神官クラスで。………それに仲の良かった知り合いは賢者になったはずだけど」

「魔核の生成をそいつに頼めるか?」

どうやら最後に付け足した言葉に反応したのか再びボクを見つめ若者が問いてくる。

その迫力に負けたボクは、思わず言ってしまう。

「多分頼み込めば…あいつなら、はいよって軽くやってくれる気がするけど…多分…」

「そうか!…いや、取り敢えず上級魔道が使えるなら…。俺はデュロス、グレミア工房の房外職人だ、今日の出会いを俺はカミに感謝する」

「そんなところも相変わらずだな、小僧を置いてゆくからこれからはお前が時々面倒を見てくれ」

そしてボクはこの変人と知り合いになり、人形師としての生活が一変することとなった。





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Comments 2

椿  

NoTitle

魔道人形の世界が広がってきましたね。

この主人公が本線な感じもしますね。
オールドファイター、ランスさん、どれも魅力的なので、世界の広がりを楽しみにしております。

2014/10/06 (Mon) 15:18 | EDIT | REPLY |   

フラメント  

椿さん今晩は~2

> 魔道人形の世界が広がってきましたね。
>
> この主人公が本線な感じもしますね。
> オールドファイター、ランスさん、どれも魅力的なので、世界の広がりを楽しみにしております。

ありがとうございます

実は 新しい物語の構想が浮かんでしまい

書き出そうか 迷っています

まだ 書き始めたばかりの ランスとかの続編なんですがw


2014/10/10 (Fri) 20:14 | EDIT | REPLY |   

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