ベアルドナルドラ物語(ファンタジー)

騎士の旅立ち (精霊騎士シャンダルの冒険)

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「では、あとをよろしく頼むぞ」

そう言ってシャンダルは、生まれ育った館を後にした。

後に残された僅かな使用人たちは、主人の幸運を祈りいつまでも頭を下げていた。


元騎士であるシャンダルが、愛する妻と幼子を流行病でなくしたときと同様に酒浸りの生活に再び舞い戻ったのは、所属する精霊騎士団が召喚士ギルドの策略により解散させられてからであった。

東方連邦評議会の主なる面々であった騎士団関係の者たちが疎ましく思われた結果でのできごとだ。

近年、連邦評議会において圧倒的な数の力を持ち得たギルドは、自分たちに有利な政策を次々と打ち出しそれを強行していったのだ。

それは飛び抜けた才により若くしてギルドの長についた男を派閥の長として迎えたことが頂点となり、評議約定の改訂から単独政権へと移行し、当初は思いもよらなかった独裁者の誕生さえも促す結果となった。

かくしてギルドは連邦随一の組織となり得たものの、更にそれを力でねじ伏せる王を抱くことになった。

評議会は凍結し連邦は王国の一部となり、イースタンエンパイアが誕生する。

そんな王国を嘆き諦め酒に溺れる日々を送っていたシャンダルに、ある出会いがあり、己の戦士としての誇りを取り戻すがため家を捨て国を捨て旅立つこととなったのである。

我が家である館には、辛い思い出ばかりが残されていたこともあったのだが。

シャンダルは国を抜けるまでの道のりの間、騎士である身を隠すため、精霊騎士の証である白金の甲冑と精霊文字が刻まれた家宝の長剣をすっぽりとマントで覆い、馬の背に揺られて国境を目指し街道を進み始めた。

精霊の導きなのだから心配などするなとばかりに、妻の形見の首飾りを握り締めながら。



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