娼婦は何でも知っている(Rファンタジー)

ドゥースの惑乱  17 (小説 娼婦は何でも知っている)

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部屋へと私を連れ込んだ若者は、自らのその腕で部屋の扉を閉めた。

辺りを伺い若者が私の目を見つめる。

私はただ、その目を見つめ返す。


「この二日の間ボクは考えて決心したんだ」

若者は私の手を取りかたりはじめる。

「カメリア、キミだけに打ち明ける、ボクはある組織の一員だ。その組織はある教団の壊滅を目的としている。この島に来たのも実は調査のためで、その組織に報告するためにキミを利用しようとしていた」


「では、あの約束は?」

覗き込む私に、若者が語気と握り締めた手を強め応えた。

「約束は本当だ!、そうでなければこんなことを打ち明けたりはしない。ボクはずっとキミだけを愛するつもりだ」

「明日ヤンズの港街で組織の集まりがある、カメリア、キミには教団についてボクの報告と共に証言をしてもらいたい、もちろんそのあとは組織がキミの身柄を保証する、…はっきりと言ってしまえばボクがキミを妻に迎えることを約束する」

若者の言葉は想像のつくものではあったが、とりあえず浮かんだ疑問について私は聞くことにした。

「どのような教団かはわからないですけど、私はそのようなものには所属などしておりませんわ、それに、館の華は島からの出入りを厳しく禁じられてるのですけど」

少しだけ落胆した色を出しながら若者は応えた。

「ならば館での知ってる限りを話してくれるだけでも構わない、外出に関しては聞いたところによると、あらかじめ申し出れば身の回り品の購入に限り大陸国内への渡航がゆるされているそうじゃないか、明日の朝、波止場にてキミを待っているから来てくれるだろう?カメリア、…ボクのために」

若者の怖いくらいまでの真剣な目つきに、私は何度も頷いた。


「ボクは組織での集まりのためこれから宿に戻り色々と資料をとりまとめる、そのあと今日のうちの船で大陸へと渡るから、キミは明日の朝必ず港まで来て欲しい、それからはずっとボクたちは一緒だ、ボクはキミを手放すことなく」

そこまで話したあと若者は、私に唇を重ね部屋から出て言ってしまった。

わからぬ明日の見えない約束より、今日一日の時間を取り残されてしまったことに私は思い悩み、しばらく部屋にいたあとで明日の外出のために館の使用人を探しに部屋をあとにすることにした。



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~ Comment ~

なるほど

アレンはそういう立場の人だったのですか。

館の精神とは、真逆の価値観を持った人だったのですね。
この世界にそういう人がいるというのは嬉しいのですが、でもカメリアにその価値観が理解してもらえるか……。

椿さん今晩は~

> アレンはそういう立場の人だったのですか。
>
> 館の精神とは、真逆の価値観を持った人だったのですね。
> この世界にそういう人がいるというのは嬉しいのですが、でもカメリアにその価値観が理解してもらえるか……。

その教団の裏の顔は、各国間の争いを増長するものでありまして(まだ 書いてはいませんがw)

ミレニアムを企む 教祖様wにとって 教団員を増やすための 大事な活動なのですw

その活動は

一方では 華宿の華を育成し(一般の華宿の客の多くは明日をもしれない 名も無き兵士たちなのです)

一方では戦争のための 兵士を送り込む

そして お国の裏産業 武器防具などの買い手を増やすとゆう

言わば 一石三鳥 の 美味しいものです

アレンの組織は 戦争を増長する教団を駆逐し 二つの大陸に平和をもたらすとゆう

偽善的なものではあったのですけどね

今回の事態で 組織が完全に潰れたことにはならないのですが

ひとまずの成果をあげ カメリアの株はあがり 

教祖様に一目置かれることとなります

それは カメリアの望むことでもあり…


これ以上のネタバレは 面白みに欠けるのでやめておきますが

続きが思いつき次第 ←結局まだ決めていないww

書き進めることにいたします

お読みいただきありがとうございました^^
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