全知全能の使役師 バンズ(ファンタジー)

月の魚 4 (小説 全知全能の使役師 バンズ)

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キラキラと光る一雫にも似た糸が波間を滑るように移動する。

「そう、月の動きに合わせ、場所を変え続けているのだ」

あるじの言葉に納得したようにヘキサはそれを眺め続ける。

やがて月明かりに照らせれ続く明るい波間に、波よりも強い輝きのものが跳ねだした。

「マスター、何かが掛かっています」

ヘキサが声をあげる。

跳ね続ける輝きは月の動きに引きずられるように波間を移りゆく。

ヘキサが見守るそれは、今にも釣り上げられそうな勢いであった。


しかし、それを妨げるものが現れた。

跳ね暴れる輝きに気づいた一隻の船が追いかけてきたのだ。

そして輝きが波間より釣り上げられたその時に、その船により横取りされてしまう。

「マスター!」

思わず叫んだヘキサは、次の瞬間冷たい夜風に吹かれている自分に気づいた。

「此処は…末界?マスターこのままでは姿が」

「案ずることはない」

あるじはそう答え真下の波間に浮かぶ船を指し示す。

「愚かなる奴らは、仲間割れを始め大切なものすら既に見失っている」

あるじの云うとうり狭い船の上では、輝きの恩恵を独り占めしようと醜い争いが繰り広げられていた。

操舵を忘れ月の恵みを失い、既に輝きを失いつつある魚の横で。

「余興は終いだ、帰るぞヘキサ」

あるじの声にヘキサも其処をあとにする。

全てを手にすることのできるあるじに仕えるヘキサにとって願い事など興味もなかったが、あのベアードがあるじの気まぐれによって仕われることにならずに済んだことにほっと胸をなでおろしながら。




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~ Comment ~

NoTitle

このお話の雰囲気良いです。
本当の意味でファンタジックですね。

釣り上げた、のは間違いないから賭けは勝ちってことか……。
しかしそうすると、海の女王の娘さんがお嫁に来てしまうのでは。

ww 手にして願ったわけではないので

> このお話の雰囲気良いです。
> 本当の意味でファンタジックですね。
>
> 釣り上げた、のは間違いないから賭けは勝ちってことか……。
> しかしそうすると、海の女王の娘さんがお嫁に来てしまうのでは。


多分 賭けはご破産に


ヘキサグラムとお嫁さまwwwの諍いは 書けば楽しいものかもしれませんがw
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