ドゥースの惑乱  8 (小説 娼婦は何でも知っている)

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Byフラメント

早朝の中庭での密やかな交わりも終えた頃、さざめきと共に華たちがちらほらと集まり出してきた。

ある者は館横の宿舎から、またある者は私たちと同じように連れ立ってそれぞれの部屋から。

それに合わせ、遠方からの来客やら館の重客、もちろん若者のお仲間たちも宿から繰り出してきているようだった。

それを眺めながら私たちは、たわいのない話に興じ互いの距離を縮めあっていた。


「アレンちょっと待っていてくださる?」

そう言って私は、席を立つことにした。

次々と思い思いの組みとなり部屋へと消えてゆく華の中でただ一つ、こちらを見つめ不満げな顔をした者をみとめたからであった。


「お姉様ったらどうゆうつもりですの?」

マーガレットが出し抜けに、隣にと来た私に問いた。

「何ですかメグ、いきなり」

穏やかに聞き返す私。

「あんな子供に執着して、聞けばあの子は、お国の王族の中でも下位にしか過ぎなくて、お姉様のお相手には全然ふさわしくはありませんわ」

マーガレットが可愛い顔を膨らましまくしたてる。

「あの方の価値は私が決めるのですよ、メグあなただけには話しますけど、私はあの方には他の方にない魅力を感じてるのです、できることならずっと一緒にとまで…」

「そんなの許せませんわお姉様、メグはそんなお姉様を許せません」

「メグ、貴女にもいずれわかりますから…お好きにしなさい…」

そう言った私に、少女はしかめっ面を残し走り去ってゆく。

面倒だとは思いながらも、待たせている若者が気に掛かる私は、そんな思いを打ち消して戻ることにした。

そろそろ部屋の支度も整った頃だろう、今は互いを知り合うことが大切なのだから。

より深くより激しく交わることで、互いを知り合うことが大切なのだからとそればかり思いながら。




マズヌにある王城、奥深い部屋の中、悍ましい饗宴が繰り返されるその寝台にそれを遮る声がかかった。

「………陛下、お耳に入れたき事が」

「なんじゃモールス、不躾に」

香と色に狂い、我先にとしがみつく肢体を払い除け不機嫌な声があがる。

「見張り役のレアピクシーから気になる報告が」

「なんじゃ例のドゥースのことか」

「はっきりとは未だわかりませんが、怪しい動向の兆候が見られると…」

「そんなことか!そんなのは問題を起こしてからにすればよい、なんならそれから勝手に始末すれば良いのだ、そんなことでワシを煩わすな、結果だけをこれからは報告せよ」

「………仰せのままに」

そのあとは、何らかわることもなく淫らな饗宴は、果てしなく悍ましく続けられた。




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Comments 2

椿  

メグちゃん

メグちゃんは、カメリアさんの監視役?
華たちは、それぞれが監視しあっているのでしょうか。

女同士、怖い;; 
自分の発言がどう取られるか知らずに、無邪気に内情を語ってしまっているのかもしれませんが。
それはそれで悲しい……。

館の内幕を、いろいろ想像してしまいました。

2014/09/02 (Tue) 12:07 | EDIT | REPLY |   

フラメント  

椿さん今晩は~2

> メグちゃんは、カメリアさんの監視役?
> 華たちは、それぞれが監視しあっているのでしょうか。


後付けの設定ですが メグの場合はそうなります

それぞれ 監視あってるまでは ないのですけどw


>
> 女同士、怖い;; 
> 自分の発言がどう取られるか知らずに、無邪気に内情を語ってしまっているのかもしれませんが。
> それはそれで悲しい……。


ボクの個人的な偏見から 女性は見かけではわからないとゆう お話なのですが

カメリアもメグも お互いにわかっていながらの 事なので(あっ ネタバレですねこれはww)

一見 無邪気なメグにしても 儚げで醒めたカメリアも 見た目通りではないとゆうことですね

怖い怖いw 女性は怖い存在ですw

>
> 館の内幕を、いろいろ想像してしまいました。


ドロドロとしたそんな館での出来事が うまく書ければいいなと

思っています^^

2014/09/02 (Tue) 20:21 | EDIT | REPLY |   

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