揺れ惑う想いと身体



オレに会いたい奴は連絡を
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そっけない文章と携番らしき十一桁の数字。無意識にゆみは、その番号を押していた。

呼び続けるだけで応えはなかった。

安堵ともため息ともわからない息をついてゆみは、携帯を置く。

虚しさと少しの哀しみが再び訪れる。それをふりはらうかのように無意識に、また指がもどかしげに動き始める。

今度はうまく上れない。期待した分の落胆のせいだろうか。

敏感な部分はいつものように硬さをましてはれあがり、奥まった部分も同じように潤いをまして開きはじめているのだが、頭の中は醒めた感じが払いきれない。

指先に意識を集中しても、身体の快楽だけが湧き上がるだけ。

想いは、心は、ゆみ自身は満たされてゆく感じがおきてはこなかった。

やはりもう、あの感覚は味わえないのだろうか。頭の芯まで痺れて麻痺してしまうような時間は、訪れる事はないのだろうか。

虚しい快楽だけが、弄る指で生まれるだけ。ゆみの瞳は、秘所とは違う想いで潤んでゆくだけだった。


ふいに、怠惰な時間を切り裂くような音がなった。

携帯画面は思いがけない番号を告げている。

呼び出すだけで応えのなかった番号。

信じられない面持ちのまま、ゆみはそれに応える事にした。

「…もしもし」とりあえず答を返すと、忘れられない皮肉な声が聞こえてきた。

「よう、今、時間はいいかい?」


「…は い」

ゆみの声は、なにかに揺さぶられたように微かに震えていた。

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