FC2ブログ

自らを慰めながら


気が付けばアノヒトについて、想いを寄せている自分がゆみの中にあった。

熱い湿りを帯びた思いの果てを、自らの指で確かめて促し慰め続けるゆみがいた。

アノヒトのねっとりた言葉と唇の感触。

アノヒトの容赦ない意地悪な指の動き。

それらを思い出し、ぎごちない稚拙さで真似てみながら。


寂しさと切なさと同じくらいの気持ちよさに浸り、声が上がるのも構わず慰め続けるゆみ。


もう一度会いたい。

もう一度甚振られたい。

いや、できることなら何度でも。


寂しく喘ぎ。

切なく喘ぎ。

自らの慰みで歓喜の喘ぎを漏らすゆみ。

優しさだけの物足りない夫のいない昼間。

カーテンを締め切った独りきりの寝室。

今までは考え付きもしなかった露な格好で、恥ずかしげもなく名乗っていた名を呼ぶ。

そんな中、いたずらなまでに指を汚し続けるゆみ。

自らの汗と垂れ流したむせる匂いにつつまれたまま、一心不乱に喘ぎ続ける。


恋に恋する少女のように切ない気持ちを伴いながら。

夢だけ追い続ける少年のように虚しく何かを求めながら。

ゆみは、自らの指に身体を委ね続ける。


果てることもないもどかしい快楽に涙しながら。

今もなお。


にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(愛欲)へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト
フラメント
Posted byフラメント

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply