娼婦は何でも知っている(Rファンタジー)

老いの求めるもの それぞれの役目  (小説 娼婦は何でも知っている  閑話休題)

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ひと仕事終えた次の日、さしたる義務があるわけでもなかったがカメリアは日課の如くまた館の中庭を訪れていた。

最初の契約では、特定の仕事は続ける必要もなく、休みを持て余し、再び身体が牡を求め始めれば館の勤めに顔を出せば良いとの話であったわけっだのだが。

ドゥースよろしく他の場所では生きられないのか、単に四六時中求めてしまうハーフエルフとしての血が誘うのか、当たり前のようにその景色を眺めている自分にカメリアはふと気づく。

そんなカメリアのもとに、転がるように飛び込んでくる小さな影があった。

これもまた、その特定できない理由の一つであったのかもしれない。

「お姉さまあ」

カメリアをつねに和ませる近づいてくる元気な声は、あまり付き合いなど気が進まないたちの彼女にとって、例外のものだった。

これも此処に来てしまう訳の一つなのかもと、滅多に見せない笑顔を浮かべカメリアは手を招いていた。

「はあっ、はあっ、お姉さまったら…いつもずるいわ、またおじ様とお楽しみだったんでしょ?」

息を切らし幼い顔を膨らますその可愛さに、ひとまず落ち着いてから話を始めるようさとして、カメリアは近くのものに飲み物をもってこさせるよう頼んでみる。

「落ち着きなさいメグ、お話ならいつでも聞いてあげるわ」

「でも、でも、そうでしょ?お姉さまばかりずるいわ」

メグと呼ばれた幼い少女は、この館の中でも一番の若さで、常にカメリアにまとわりついてくるのであった。

そんな彼女を可愛がる様子に目をしかめる者も多数いたのだが、館の番人に多くの賓客を頼まれるカメリアに文句を言える様な者など一人もいなかった。

カメリアはあの冷徹な番人の相手を望みはしたが、この幼い少女の描く対象とは程遠いものだであったのに。

「そうは言ってもメグ、いやマーガレット。一人前の華としてそのようなことは思っていても口に出すことなど掟に背くことなのよ」

言葉は硬いが口調は柔らかく少女に語りかけるカメリア。

生い立ちのせいかカメリアにとって幼く遠慮のないマーガレットは、妹のような存在にうつっているのかもしれない。

そんなカメリアを見透かしてるかのように、だだっ子は甘えるように続ける。

「でもお姉様は前の日にも、大事なお客様に存分に陵辱をお受けになったんでしょ?その次の日にまた、おじ様に同じように甚振られて…、メグなんていつもおじいちゃんのお相手ばかりで、おじ様の洗礼なんて…始めに来た時だけで」

まくしたてる幼い顔を見つめカメリアは応える。

「どの華もそれなりのお勤めがあるものなの、その華の持つ色や香りはそれぞれに違うものなのよ。いつかあなたも私と同じ色になるかもしれないし同じ香りを身につけることもあるかもしれないわ。それまで館のお勤めを日々全身受け入れることが必要なことなのよ」

カメリアは自らにも言い聞かせるように少女に語った。

そんな思いを知ってか知らずか、聞き分けのない少女は不満ばかりを返すばかりであった。

「でも、おじいちゃんたちは、アレも柔らかくてそれぞれにお好みのご奉仕を差し上げないとメグを楽しませることもできないわ」

「華がそんなことを望むものではないのですよ」

「おじいちゃんひとりひとりが、お口でどの程度吸えば良いのかとか、指とかのお助けを差し上げないといけないとか、細かすぎてそれだけで大変なんだから」

「そこまでご奉仕を重ねて、またそれぞれのお好みに合わせ、向きを変え調子を合わせ、お姉様みたいにお楽しみになられることなどないわけだし」

あれがメグ言うところの楽しみとは思えなかったが、それでも辛抱強く少女の不満とやらを聞いてから口を開こうとカメリアは思い直していた。

「メグの中にお恵みをお与えくだされてもまた、一からやり直しですし、次を受けられるには初めより長く色々なご奉仕をいたさなくてはならないんだから…」

取り敢えず収まったかなと思ったカメリアは口を開き、言葉を選びながら少女に語り始める。

「殿方とは、そうゆうものなのですよマーガレット。お若くてもお年を召しておられてもその抱く思いは同じもので、それが殿方の思い通りにと、それ以上の悦びにと導いてあげるのが私たち華の勤めなのです。お年をめいた方々に思い以上の悦びをあげなければならない貴女は、私以上に大事なお勤めを任されてると思わなければなりません」

カメリアは自分の口から出した言葉を確かにその通りだと感じていた。

自分のよくある相手のように、ただ嬲り甚振ることだけを望む事を受け入れるよりも、この小さな少女の方が遥かに難しい勤めなのだと改めて気づいたのだ。

確かに少女に任されるのは、高齢の老人ばかりで、彼らの持っている情報などは利用価値など古ぼけたものかもしれない。

でも、彼らが落とす貴重な見返りは館の存続にとって必要なもの内の一つであるだろう。

そのことを見抜いたあの悔しいまでに頭のきれる冷徹な番人が、彼女にそれを託し任せるばかりとゆう事実に驚愕さえ、覚え始めてしまう。

「華は健やかに伸びゆくものなのです」

と少女を優しく抱きしめながらも、その少女の底知れぬ才能に嫉妬さえ浮かべてしまうカメリアであった。




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連休も終わり 明日からは憂鬱な仕事が始まります… orz

テンションに左右されるボクは 更新することさえ かなわないかもしれません…

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言い訳がましい   いちごはニガテ

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~ Comment ~

NoTitle

お仕事お疲れ様です。
私は体調の関係で今は仕事に行ってないので楽チンです(笑)

メグちゃん、禿みたいな見習いポジションなのかと思ったら一人前の華なのですね。
確かに……カメリアさんの仕事もハードそうだけど、メグちゃんのはメグちゃんで大変そう(^_^;) 忍耐力が切れそう……。

二人のプロフェッショナルな働きぶりに頭が下がります。

椿さん ただいまですこんばんは~

> お仕事お疲れ様です。
> 私は体調の関係で今は仕事に行ってないので楽チンです(笑)
>
> メグちゃん、禿みたいな見習いポジションなのかと思ったら一人前の華なのですね。
> 確かに……カメリアさんの仕事もハードそうだけど、メグちゃんのはメグちゃんで大変そう(^_^;) 忍耐力が切れそう……。
>
> 二人のプロフェッショナルな働きぶりに頭が下がります。


コメ返遅れて 申し訳ないです

仕事が始まり 更新激減のつなぎの話にまで コメントを頂き

感謝にたえませぬ^^
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