ベアルドナルドラ物語(ファンタジー)

最果て  5  (小説 ベアルドナルドラ物語)

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翌朝、ベアードが部屋で身支度を整えていると騒々しい声が聞こえて来た。

「陛下!陛下!お迎えに参りましたぞー!」

ベアードが部屋の扉を開けると、身なりの良い老人が大声を上げながら、誰かを探し回っている。

「こっちだ!莫迦者!」

ゲットの声だろうか、階下から同じく大声を張り上げている。

それきり騒動は収まりあたりに朝の静けさが戻ったところで、再びベアードは身支度を続けることにした。

暫くすると合図を告げるかのようにベアードの足元の光が瞬いた。


「朝早くからすまんなベアード、向かいの者が来たようだ…、どうだ出れるか?」

扉の向こうから聞こえる声はゲットのものだった。

「ああ、支度なら丁度整ったいつでも良いぞゲット」

先ほどの騒ぎなど知らぬ存ぜんでベアードは答える。

扉を開けたところで向かい合ったゲットは、既に支度が整っているようだった。

「騒がしくてすまん…」

「何がだ?支度に夢中で何も気付かなかったのだが…」

「ならば…良いが…、警備隊の砦まで馬車で向かうことになった…客を連れて帰ると言ったら…やけに気を遣いおって…」

「ああ、ならば手荷物と武器防具を一緒に」

ベアードの言葉に、先ほどの老人が頷き、黙って荷物を受け取った。

そしてそのまま表へと運んでゆく。

「今のは?やけに歩合いそうなご老体だな…」

「…と、砦のものだ、きっと余計なことなど言わぬよう含められているのだろう…まあ気にするな、砦までは半日ほどだ、早々に表に出ようじゃないか」

落ちつかぬ素振りのゲットに促されて表に出ると、辺境には不似合いな立派すぎる四頭だての馬車が待ち構えていた。

「随分ご立派な馬車じゃないかゲット」

空々しくベアードが問うと、慌てた素振りでゲットが答える。

「…丁度、砦に滞在している要人用のものを借りてきたらしい…大仰な代物だと俺も感じたのだがな…さあ、そんなことより」
口早に言い訳めいたゲットの言葉に頷きを返しベアードは馬車にと乗り込んでゆく。

砦を目指すまでの間、ベアードの気をそらそうとゲットはしきりとたわいもない事ばかりをを話し続けてきた。

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