ベアルドナルドラ物語(ファンタジー)

最果て  2  (小説 ベアルドナルドラ物語)

 ←最果て  1  (小説 ベアルドナルドラ物語) →最果て  3  (小説 ベアルドナルドラ物語)
北の大地その寒々とした荒野の果てに、その宿はひっそりと建てられていた。

大陸の北東のはずれ、葉脈のように縦横無尽に伸ばされた街道の先端、南西の国境の辺りだろうか訪れるものなどいるのかと思われるほどの寂れた地であった。

「この先に宿は無し…か」

その建物の入口に刻まれた文字をベアードがつぶやく。

重い扉を開けると鈴がなり、気休めに置かれたかのような小ぶりの暖炉脇のカウンターの奥から無愛想な主人らしきものが現れた。

「オヤジ、部屋をひとつ頼む」

じろりとベアードを一瞥したあと、店の主人は一言だけ答えた。

「見れば旅の御仁のようだが、馬とかは?つなぐ場所ならば裏にあるが」

「いや、俺一人だけだ」

こんな最果てまで徒歩で訪れるものなど怪しいと思われたかもしれないなと思いつつも、ベアードは正直に答えた。

「なら取り敢えず、前金で銅貨十八枚だ」

「生憎、この国の硬貨の持ち合わせがないのだが、砂金ひと袋あれば足りるだろう」

そう言ってベアードは、何処から調達したものか小ぶりの砂金袋をずしりと台の上に置いた。

「こいつは上物だな、あとで部屋の方にかさばらないよう金貨に変えて釣りを届けよう、部屋は二階だ、食事と風呂は共同で一階の奥にある、何か他にあるかね」

袋を開け中身を確かめると主人はそう告げた。

「いや、結構だ、それで頼む」

ベアードは頷き、渡された部屋の鍵らしきものを手に取り指し示された階段を登っていった。

ベッドが置かれただけの簡素な部屋に手荷物と防寒具を無造作に置き、暖と腹を満たそうと階段を下り食堂へと向かうベアード。

お目当てのその場所は、宿の一番奥にとあった。


関連記事
スポンサーサイト


総もくじ  3kaku_s_L.png 恋愛小説
もくじ  3kaku_s_L.png 援交記
総もくじ  3kaku_s_L.png 詩・散文
総もくじ  3kaku_s_L.png ファンタジー 魔導人形シリーズ
総もくじ  3kaku_s_L.png ファンタジー 輝石シリーズ
もくじ  3kaku_s_L.png 遷都物語
もくじ  3kaku_s_L.png ジェノサイダー
もくじ  3kaku_s_L.png ミンストレル
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png 砂(小説)
もくじ  3kaku_s_L.png 小説 終春
もくじ  3kaku_s_L.png カウンセラー
もくじ  3kaku_s_L.png 挨拶
もくじ  3kaku_s_L.png 真夏の幻影
もくじ  3kaku_s_L.png 故郷
もくじ  3kaku_s_L.png 陽炎のように
もくじ  3kaku_s_L.png 魚人の街
もくじ  3kaku_s_L.png プチーツァ
もくじ  3kaku_s_L.png 戦乱の時代
もくじ  3kaku_s_L.png 世界
もくじ  3kaku_s_L.png イケメン彼女
もくじ  3kaku_s_L.png 原罪
もくじ  3kaku_s_L.png 転生
もくじ  3kaku_s_L.png 記憶
もくじ  3kaku_s_L.png 小説  GENZI
もくじ  3kaku_s_L.png ジゴロ
もくじ  3kaku_s_L.png 小説 エセエス
もくじ  3kaku_s_L.png 小説 思い出
もくじ  3kaku_s_L.png 詩人の愛
もくじ  3kaku_s_L.png 小説 ブロガー
もくじ  3kaku_s_L.png 好きなもの
もくじ  3kaku_s_L.png アバーブ
もくじ  3kaku_s_L.png 地上にて
もくじ  3kaku_s_L.png Dragon's woes
  • 【最果て  1  (小説 ベアルドナルドラ物語)】へ
  • 【最果て  3  (小説 ベアルドナルドラ物語)】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【最果て  1  (小説 ベアルドナルドラ物語)】へ
  • 【最果て  3  (小説 ベアルドナルドラ物語)】へ