ベアルドナルドラ物語(ファンタジー)

放浪の戦士  再会 10(完結)

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まさにデュアル王が操心の魔導を発動しようとした時、ベアードの背後のあたりから幾筋もの光の粒が王の足元にと散らばった。

「うおおぅ!これは!」

「これは一体?」

不意に立ち上る業火にデュアル王が怯む。

何故かはわからなかったが百戦錬磨のベアードがこの隙を見逃すはずもなく、呪縛が緩んだ配下の精霊たちに命ずる。

すぐさま人化は解かれ、本来の姿をベアードは取り戻した。

「何かはわからぬが、ここでの用は終わりだデュアル、では…」

魔導王の強力な結界も、二階層ほど次元移動を繰り返すと穴の空いた網同然だった。

「この次はこうはゆかぬぞ!」

実態を消え去ってゆくベアードに向かって、黒焦げになりながらも魔道王が叫ぶ。

その声は移層し転移まで施した精霊王のもとには届くことはなかった。


用心を重ね真界にその身をおいたまま、幻のように薄れてみえる末界の道を歩き出すベアード。

精霊化し真界に存在を固定した彼の姿は、末界からは感知さえできない存在になっていた。

「そうか、あやつの祝福か…」

思い当たる節に、ベアードは立ち寄った酒場に寄ることを思い立った。


再び酒場を訪れると相も変わらず酔い潰れているシャンダルの姿が見て取れた。

「精霊騎士よ」

シャンダルに呼びかけるベアード。

「…ん?誰だ」

「其方の祝福に感謝するぞ、精霊騎士よ」

ベアードは精霊王としての姿を、シャンダルにと転映した。

「!精霊か?…しかしこの声は」

ベアードの精霊王としての姿に戸惑いながらも聞き覚えのある声について考え込むシャンダル。

「そうだ、俺だベアードだ。貴殿の祝福により窮地を逃れられた改めて感謝する。お礼に俺からも祝福を送りたい、どうか受け取ってくれ、ではまた、戦地で会おう」

そう言い残し精霊王はシャンダルの前から消え去った。

後に一羽の霊鳥を残して。

肩にとまった燃え盛る霊鳥に目をやり、つぶやくように想いを言葉にするシャンダル。

「ここいらが潮時かもな、俺も戦士の誇りを取り戻すために奴の後を追うことにするぜ、よろしくな相棒」

その言葉に答えるかのように霊鳥は,囀るように火炎の鳴き声をあげた。



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