買い物 (小説 荒廃)


ランチを済ませたあと、店を出てぷらぷらと歩き出す。

特に店屋もない16号沿いを下ってゆく。

目当ての店をめざしてどこの角だったかを見回しながら歩き続ける。

「何処までゆかれるのですか?」

「ちょっと寄りたい店があるから、お前とな」

寄り添ったままの理恵はご機嫌で、多少の道のりもただ広いだけの通りの景色も関係ないようだった。

向かいに大きな郵便局が見えてきた。

「もう少し先か?地下鉄の方が良かったかな?」

「構いませんわ、こんなにいい天気ですから」

思ったより遠い道のりにこんなことをつぶやいたが理恵は平気のようだった。

曙町三丁目南とかいてある交差点の前まできた。

見覚えのある中華料理屋もある。

「ここを右だ、もうすぐだ」

「はい」

なんとかたどり着いたことにほっとしながら理恵に告げる。

少し歩くとすぐ店に着いた。

「ここですか?」

「ああ、大人のおもちゃ屋さ。通販もしてるらしいがこうゆうのは実際に手にとってみないとな」

興味深げに店頭に並べられたコスチュームを見ていた理恵を促して、店内にと入ってみた。

「これなんかどうだ?鎖付きの首輪、オレはSにはSだけど特に緊縛までは興味がないから、せいぜい拘束して身動きをとれなくするくらいだからな」

「首輪もいいですけど…、できれば縛ってもらいたいです、だめですか?」

「縛り方ぐらいは知ってるが、別にプロじゃないから手加減などできないぜ」

「それでもいいです」

懇願するような甘い声がかえる。

今までは思いもしなかったが、化粧ひとつでこんなに見てくれが変わるのならそれもいいかもしれない。

そう思ったボクは理恵に首輪を選ばせて置いて、思いつくままのグッズを購入することにした。

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