限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり  小説GENZI その1

「イッテしまうのか?朽ちゆく時も共にと…」王である男の未練がましい言葉。その言葉に美姫が冷たく返す。「哀しみなど…朽ち果てることなど…共に生き永らえる儚き望みに比べれば」男を見ようともしなかった美姫の言葉は、無論、男に向けたものではなかった。広大な大陸の帝王たる禍々しき血を受け継いだ我が子の行く末は、たかが小さな島国の頭に過ぎない男と比べる価値もなく、その愛子が自身の全てをはぎ取り生まれ落ちた訳であ...

 17, 2016   0
Category  小説  GENZI