Category: 真昼の月と夜の海  1/1

出会い 1 (小説 真昼の月と夜の海)

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月は夜でこそ輝くのにそれまでのボクは、周りの明るさに戸惑うばかりで色も影も薄い真昼の月でしかなかった。モノクロームの道、そんな色あせたような朝の道をボクは歩いてゆく。けれど色あせてるのはきっと周りじゃなくってボクの心の方だと思う。学校と云う名の乾いたその場所に、今朝も紛れるようにボクは溶け込んでゆく。色づいて目立っている周りのクラスメイトの中、挨拶はおろか言葉のやりとりさえもボクには無関係だ。いじ...

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出会い 2 (小説 真昼の月と夜の海)

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「…ねえ影山くん。そんなのより私たちに話をかけてくれないかなあ、ワケアリってのとか聞かせてほしいから」クラスの色付きどもが、授業が終わったところで声をかけてきた。勿論ボクじゃなく、意味がわからないけどボクを見て隣で微笑んでるやつに対してだ。改めて間近でみるそれは、最初の印象よりよく見える。色付きどものざわめきは、思ったよりも端正な顔立ちだったかららなのだろう。「リツキ、お前は聞きたい?俺のこと」穏...

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出会い 3 (小説 真昼の月と夜の海)

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「まあ、一言で言えば病欠ってことだ。動き回ったりするのだけがだめで、授業の単位なんかは特例で施設の方で取れたから、晴れて手術で完治したから残りのやつをこれから此処で取ろうってわけ」そんな言葉にいろんな質問があがる。ボクと言えば、ボクの周りに飛び交うそんな会話を聞くこともなくただやり過ごしていた。最初の切り出しはともかく、自分について語るのはまんざらでもなさそうに思える。だからなに?ってことだけど。...

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