Category: 何か (擬似恋愛小説)  1/1

1 (擬似恋愛小説   何か)

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「ボクは君が欲しいとと思っている…。言葉通りに君を抱きたいのだけれど…」結局私はこのひとを受け入れてしまった。そう、その要望どおりの言葉どおりに。特に言うほど変わってもいなかった行為のあと、特に言うほど冷たくもなかったその手は、この人が持つ不安だろうか?そんないくつも抱え込んでいるらしいものから逃れるように、背後から私の決して厚くもない胸を掴んでいる。まるで私と云う存在に縋るように。互いを曝け出した...

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2 (擬似恋愛小説   何か)

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彼自身が吹聴するように恋多き男とは、第一印象ではわからなかった。鳥の絵柄で有名なコミュニティサイトでの繋がりしかなかった私には、サイト上でつぶやかれる彼のいろんな言葉と近況趣味などと彼自身のものかどうかは疑わしかったアイコンだけの先入観しかなかったからだ。気分屋なのか作り事なのか彼のつぶやきは実に不安定で不確定。言葉の調子も色々で捉えどころのない人だなとしか思っていなかった。私がそうであったように...

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3 (擬似恋愛小説   何か)

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「無関心とは憎まれるより辛いことだよ」そんな言葉が思い出される。昔、付き合っていたはずの人がもらした言葉だった。問いかけへの答えが怖くて、その答えがとても怖くて…。肉体関係を何度か持ってしまったあとの彼の振る舞いが、何故かそれ以前より遠くに感じてしまったことが怖くて…。私はついぞそのことについて、問いただせなかった。メールの返事がないことや、呼び出しばかりの携帯の返事について。嫉妬を示せばよかったの...

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4 (擬似恋愛小説   何か)

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どうしてそうしてしまったのか、どんな思いだったのかは、今ははっきりとは思い出せない。それほど疑問だったのだろう、それほど意味がわからなかったのだろう、彼と彼の言葉の事が。勢いだったのかもしれない、他に理由があったのかもしれない。とにかく私は、その書かれていた番号を押し始めていた。何度目かの呼び出し音のあと、聞き覚えのない声と聞き覚えのない名前が返事された。「…えっと…」その覚えのなさに冷静さを取り戻...

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