都合の良い女 (官能私小説 乾き 改訂版 1)

誰と居ても 渇いていた何をしていても 渇いていた幾度求めたとしても その乾き 満たされることなどなかった仕事を終え部屋に戻れば、いつも待っていた。いや、待っているのではなく、ただいつも居た。このボクを待っているのではなく、まるで、この部屋の一部かのように。ひとみは嫉妬深い女だった。情の濃い女だった。気まぐれで浮気なボクの何処がいいのか。短気で寡黙なボクの何処がいいのか。求めればいつでも応じてくれた...

 03, 2015   0
Category  乾き 改訂版

情事 (改訂版 乾き  2)

小柄な女だった変わった女だった男好きのする身体つきだった翌日、遅い時間に部屋に戻ると、ドアを開けたとたんに消毒の香り病院の香りがした。もう遅い時間であり、ひとみは待ちくたびれたかのようにベッドで寝息をたてていた。受付をしていると話にあった勤め先の制服なのだろう、ピンクの白衣のままで。「…ううん」覆いかぶさった身体の重みで眠りから呼び起こされるひとみ。眠り込んでる白衣の女のシチュに興奮し上着のボタン...

 03, 2015   0
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酔夜にて (改訂版 乾き 3)

酔った僕が好きと言っていた酔った僕が嫌いと言っていた酔いに任せて何度も求めると 何度でも応えてくれる女だったその日は週末とあって、部屋にも戻らずにそのまま後輩と馴染みの店に呑みに行っていた。「だかあさあ、ゆみちゃんオレと付き合ってくんなあかなあ」ろれつの怪しい言葉をカウンターに投げかける。「かずちゃんて、そんな事ばっかり」適当にあしらうように答が返る。「そうっすよ、かずさん。かずさんには、ひとみさ...

 05, 2015   0
Category  乾き 改訂版

酔いの果て (改訂版 乾き 4)

勘のいい女だった勘の良すぎる女だった時々哀しそうな顔をしていた「何で来たんだ」酔いがさめたような声で、小声で話しかける。「だってかずくん、辰也君と一緒って言ってたから、また酔いつぶれちゃうかもって…」その言葉を耳にした辰也が割り込んできた。「ひどいなあ、ひとみさん。僕が一緒じゃまずいっすか?」首を振ってひとみがこたえる。「そうじゃなくって、辰也君と一緒だと楽しくてつい呑みすぎるってかずくんいつも言...

 05, 2015   0
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翌朝 (改訂版 乾き 5)

何をしても渇きが治まらなかった誰といても分かり合えると思わなかった何度抱いても隙間など埋まるとは思えなかった夜明け前、喉の渇きで眼が覚める。頭痛も少し残っている。下腹部の違和感は、腰の辺りで丸まって寝息を立ててるひとみが、僕のものを握り締めていたからだった。その手を離しトイレに向かう。用を足して水をがぶ飲みすると、酔いと頭痛が覚めてきた。その後ベッドに戻るとひとみが眼を覚ましていた。「ごめんねかず...

 18, 2015   0
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浴室 (改訂版 乾き 6)

よく喋る女だったよく笑う女だった黙り込んでるだけのボクの瞳を良く覗き込んでいたバスルームの前に立つとまだシャワーの音が響いていた。ドアをあけ中に入ると、その音は止んだ。「少しだけまってくれたら、すぐに終わるのに」「別に構わないだろ?」「…いいけど」再びシャワーの音と熱くこもった湯けむりがバスルームに充満する。「ねえ、かずくん寒くない?」音は止まずに問いかけられる。そして熱いしたたりが僕に向けられた...

 20, 2015   0
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浴室を出て (改訂版 乾き 7)

寂しげな女だったいじらしい女だった僕の望みなら何でもしてくれた先に部屋にと戻りベッドに転がる。シャワーのせいか頭と気分がすっきりしていた。「おまたせ、かずくんがまた汗をかかせるから」ちょっと恥ずかしそうに髪を拭く。背を持たれ横たわる横にちょこんと座り髪を拭き続ける手を、引き寄せ抱きしめた。「髪がまだ濡れているから冷たいよ?」かまわず上に招きよせる。近づいた唇に唇を重ね抱きしめ尻を掴み小柄な身体を押...

 21, 2016   1
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年の瀬の予定 (改訂版 乾き 8)

居るのがもうあたりまえだったするのがもうあたりまえだった狭いベッドで二人 重なったままいつも眠りにおちていた「年末年始は、どうすんだよ」12月も終わりを告げる頃、いつものように名前も呼ばないで聞いてみる。「年末は仕事だけど、お正月休みはバイトあけてあるからかずくんと一緒にいる!」僕の身体の下、さっきまでぐったりと余韻に浸っていたひとみが腕を廻ししがみ付きながら応える。「一緒って、毎晩一緒にいるじゃね...

 23, 2016   2
Category  乾き 改訂版