寒い帰り道 (ファンタジー小説 気が付けば大魔王 1)

「亜美、ごめんね。二十四日も時間が取れなくなっちゃったよ」仕事が終わって駅からの帰り道、携帯が申し訳ない口調で私に言葉を告げる。前世の私だったものはどれほど罪深いのだろうと思い、どうして?って返事が言い出せない。女子力が高いわけでもなく可愛いげも足りない私は、恋人とゆう地位を授けてくれた、寛大な俊文に未だに強く出ることができなかったからだ。「………うん、俊文は優しからね。クリスマスディナーは美春と一...

 23, 2014   2

夢の目覚め (ファンタジー小説 気が付けば大魔王 2)

「皆の者、戦況を順番に報告するのじゃ!」なんとなく聴き慣れた声。いつもより鮮明で大きな声。なぜか私は、これは夢なのだと納得している。忙しい毎日の中で疲れのせいか、最近こんな夢をよく見るから。最近のマイブームであるネット小説の影響もあるのか、耳にする言葉は戦闘やら魔物やらそんなゲームチックでファンタジックなものが多いみたい。どちらかといえばオタクな友人の美春などならともかく仕事の同僚などに言えば赤面...

 30, 2014   2

謎のイケメン (ファンタジー小説 気が付けば大魔王 3)

「もうっ、うるさいわねえ!」「!!!」あまりの騒々しさといつもの目覚めの悪さで私はつい声をあげてしまう。でも私があげた声は、いつもの聞き覚えのある目覚めのしゃがれ気味の声ではなく、低く響いた男の聞きなれないものだった。その声に驚いた私は、おろおろと周りを見回してしまう。その途端に視界を変な霧のようなものが取り囲み、先程のまでの喧騒と周りの現実感から私自身が隔離されてしまった様に感じた。「えっ?」相...

 14, 2014   1

鏡に映ったもの (ファンタジー小説 気が付けば大魔王 4)

「誰なの?ここは?いったいなんなのよ…夢なら覚めてよお!」喚き続ける私をイケメンは辛抱強くまっていてくれたようだ。混乱と興奮が大声をあげたことで、私の中のそれは少しは収まってきたみたい。そして、それを待ちかねていたようにイケメンが言葉をかけてきた。「落ち着かれましたか?陛下。いや、アモン様」「アモンって誰よ?私は亜美よ!」すかさず言い返す私。相変わらず声は変だったけど。「申し訳ありません、…アミどの...

 21, 2014   1

ラミアと云う名の少女 (ファンタジー小説 気が付けば大魔王 5)

どれほどの時が過ぎたのだろうか。内なる殻を破り私を引き戻したのは、夢からの目覚めではなくイケメンの声だった。「それで、アミどの…いや、アミ様。あなたはご自分がどなたであると主張なされるのですか?あなたが思い描くご自分の姿を強く願い、わたくしめに見せていただけないものでしょうか」「私は亜美よ…こんなへんなオヤジじゃなくて」イケメンの声に惑わされたように私は呟いた。小さな声でしかなかったけど、それでもで...

 01, 2015   2