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あのジイさんのコードに合わせハイコミュを繋げる。

いつもなら左目の中にバーチャルビジョンが投影されるはずが、音声しか聞こえない。

もっとも若い娘ならともかく年老いた上司など見たくもなかったが…。

< 長官 ミッションコンプの報告です >

<………>

…返事が帰らない

< 長官 ファングです ザ・サンにおける任務完了のほうこ… >

< ああだめだモニカ これは仕事なんだから ………ん んっん! ファングか? 今は休暇中だ 報告と報告書はあとで構わんからな…… だからダメだよハニ……… >


クソっ

ふざけたジイさんだ

色ぼけしやがって…


俺はファング・ザDD、ある組織のエージェントだ。

本来ならこんな報告は全て相棒のガーディの奴がするはずなのに、奴は任務遂行を待たずに一足先に休暇に入りやがった。

「ファング、悪いけど後の事後処理はお願いね。私はバカンスの予定がつまってるから」

そう言って奴は途中でこの任務を放棄しやがったわけだ。

もっとも任務途中でこんなことができるのは、奴の特殊能力の所以だろうが、どうせなら俺も一緒に休みにしてくれれば良かったのに。

予定の長期休暇に三日も喰い込んじまった末に、珍しく報告を入れてみればさっきの始末。

どれもこれも、この螺旋宇宙のように不条理な事ばかりだ。

俺のこの苛立ちを、ここのむき出しの太陽が更に煽る。

確かに戦地ではもっとひどい環境の中任務を遂行してきたものだが、シチズンつまり帝国市民のナンバーを手に入れた今では、コントロールされたコロニー暮らしに身体が慣れきっちまってる。

ドラゴンだって暑いものは暑い。

この時代遅れの擬似季節とむき出しの太陽を俺はうらめしく思い見上げるばかりしかできないでいた。






これは 一連のダークドラゴンのシリーズの中の話ですが

ファングを主人公に ファンタジーがかけないかと思いたち

書き始めてみました

多分 無理とは思いますけどね

SFにしかならない気が…



いちごはニガテ
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任務遂行中は気にもならなかったが、俺自身とも言える黒づくめのこの格好はどうやら此処のリングシステムとは相性が悪いらしい。

メトロのようなコロニーと違い人工照明システムよりは遥かに凶暴な生の日差しは、俺自身を焼き尽くすつもりであるかのようだ。

かつて存在していたリング部分の軌道上にあったはずの惑星の環境を再現するためのズレは、イヤーの中で最も過酷な環境を忠実に再現しているとの相棒の言葉を嫌とゆうほど感じることができる。

システムの回転が生み出す感覚の中で頭上にあると錯覚するその敵意むき出しの赤みがかった太陽を睨み、余りにも巨大なリングによる錯覚のもたらす無限に広がる周囲を眺め、俺はまたため息をもらすしかなかった。

…やれやれ こんな場所で残りの休暇をどうやって過ごせと云うんだ

と。

リングの内円中央部に設けられた主要多目的幹線道路と淵から淵へと渡る等間隔に繋がった凡庸道路のもたらす幾何学模様的な光景は、ごちゃごちゃと密集したメトロ住人の俺には一種の幻影のように見て取れる。

無論帝国の領域でもあるこの場所であっても(ここがどうやらお膝元らしいが)ブレスに内蔵されたナビシステムにより宙港やそれに至る移動手段へのアクセスはイージーなものであるはずだが、整然と走り過ぎ去るボートや遥か遠くに思われる地平線はどれもこれも陽炎のごとく揺らめいて気が重い。

ブレスの指し示すポイントらしき方角を眺め、そこまでの移動の時間と距離を考え本気でスライダーの投射を頼もうかとまで俺は考えちまった。

フリーのボートを拾い、ここにも在るはずのチューブに乗り換え、何処の場所に行っても変わらぬ宙港スタンドの馴染みの景色やエスプレッソにやっとの思いで逢うくらいなら、何もない戦地での移動のようにお気楽なスライダーに跨った方がずっとましだと思ったわけだ。

そんな幻想を諦めて現実に仕方なく向かうことにした俺は、さっきから気になっていた事が俺を救い出すかもしれないかと、ポイントとは違うその場所へと踵を返し歩き出すことにした。

どんなときにも前向きに立ち向かうことがドラゴンの証であるかのように。
途方もなく幅広の幹線道路を斜めに横切る。

ボートやカーゴ専用の浮遊システムが埋め込まれているとは言え、表面上は平に整備され歩くことには別に支障はない。

もっともムーブセンサやLリアクションを搭載してるはずもないただの民間のロードやカーゴに跳ね飛ばされるのは確定のそんな場所を、普通歩こうとする者などいないのかもしれないが。

とにかくそんなハイウエイを跳ねられることもなく俺は渡っていった。

気になった場所は、いや気になったものはどうやら救いの女神らしい。

先ほどとは向かいにあたる今度は歩行用のこれまた広い道で無関心を装って佇んでいたその黒い女神に、俺はいきなり声をかけてみた。

「残りの休暇の暇つぶしになる場所に、案内してくれないか?」と。

「えっ?」驚いたふりで声を上げる黒い女神。


「俺はファング、こんな場所で仕事がおしちまってホームに飛ぶにも半端すぎるんだ、見ず知らずのこの輪っかの中、彷徨える羊のような俺をさっきから熱心に観察していたあんたなら救ってくれると思った訳だけど」

白々しい反応など気にもしないで俺は言葉を続ける。

「あんなに離れていて、そんな素振りさえ見せなかったのに、ファング、あなた気がついていたの?」

「その台詞はそっくりあんた…」

「アラネアよ、ネアでいいわ」

「そっくり台詞を、ネア、君に返すことにするぜ、熱心に見つめる眼差しは昔の仕事の最中に感じたものと何故か同じだった気が…、もっとも眼差しだけ記憶して本人とは顔を合わせたこともなかったはずだがね」

「あら、残念だったわね。その眼差しも私と同じくらいの美貌を備えてたかもしれないのに」

女はさらっと言いのける。

確かに言うだけのことはあるいい女だと俺は感じていた。

ノーマルよりは首一つ秀でた俺と同じくらいの身長、ほっそりとしていてそれでいてさり気なく主張する部分は、身に纏った黒のスーツの中でさえ俺の気をひく。

「立ち話もなんだから、思い当たる節があるんだったら導いてくれないか?」

そう言った俺に「ボートを頼んだからその中で考えてみるわ、バカンスもやりつくして退屈してたところなの」と女は応えをかえしてきた。

いつ頼んだのだろうかと訝しく思う暇もなく、パーキングスペースにと向かう女の尻の後についてゆくだけの俺が其処にいた。

ドラゴンにあるまじき遅れをとったあやふやなそれは、夢の中を彷徨うばかりの感じだったのかもしれない。
絶妙のタイミングで滑り込んだボートに、ネアが驚く様子もなく乗り込んでゆく。

隣に座った俺に、すぐさま休暇の長さを聞いてプランをあげてゆく彼女。

ふたりが乗り込んだボートは、すぐさま動き出し行き先が決まるまでのドライブとなった。


「残りのお休みはどのくらいなのファング?」

「あと、移動も含めて三日かな?」

乗り込んでからはこの調子で、こちらを向いては話しかけるばかりで、不思議にボートに何か指示を出す素振りさえなかった。

運転手などの野暮なものがいない最新のボートは、俺の記憶ではブレスやリングなど身につけた端末をかざす事で、行き先などを入力するものなのだが、彼女にはそれがない。

もちろんお飾りの手動入力のコンソールパネルにその綺麗な指が触れることもなく、考えられるとすれば外部の者が通信により支持された目的をそれぞれのボートに入れ込むことなのだが、普通のシチズンにしか見えない彼女が、そんな軍部ばりのバックアップを受けれるとも思えず、そんな推察など柄ではない俺は聞くこともしなかった。

そして彼女が提案し俺が肩をすくめるたびに、行き先を変え続けるボートは、二人の意見が重なるまで意志でもあるかのように何度も外の景色を移し替えることとなる。

もっとも自意識があるのなら、とっくに呆れ果て二人とも歩道に投げ出されそうではあったのだが。


「じゃあやっぱり、リングから出て遊ぶのは無理そうね、ファン」

「そうみたいだな」

ステラやガーディのようにお気楽に呼ばれるまでに至った俺は、本気で休暇を諦めようと考え始めていた。


「ちょっと待ってねファン、何かボートのサーバーから探してみるから」

そう言ながらも彼女は、自分の休暇での今日までの話を途切らすことなく俺に話しはじめる。


「私の職場ってね、すっごく肩凝るの。だからいつもより多めに届けを出して今回は遠くまで出かけて来たんだ」

屈託なく笑いながら続けるネア。

彼女の話すリゾートでの出来事は、今ではしがない民間勤めの俺にとって真似のしようがないほど、クレジットを使いそうなものだった。

もっとも昔のコネと数えたこともない蓄えを使えばできそうではあったが。

それも管理を丸投げした相棒であるガーディの奴の許しが欲しいのだけど。

そんな時間が取れるわけでもなく、彼女の休暇先でのエピソードがある程度収まったところで、間をつなげるためにも湧き上っていた疑問を何気なしぶつけてみることにした。

「ところでネア、さっきからボートを何もいじってないみたいだけど、キミは魔法の手でも持ってるのか?」

陳腐な笑いを求めるかのような言葉ではあったが。

ほんの一瞬だけ顔つきを僅かに変えただけで、声の調子を変えることなく返事が帰る。

「ファン、…それは口外できない決まりなの、お仕事の関係で…」

「じゃあ、お堅い勤めなんだねネアは。それにしても太っ腹なんだなキミのボスは、俺には叶いそうもない休暇だよ話をきいてると」

その時の俺は確信も証拠もなくドラゴンの気まぐれで、当てずっぽうに返したのだけだが。

珍しく沈黙をボート内に漂わせたあと

「………さっきも言ったように肩の凝るヘビーなものだから高くふんだくることにしたの、今の仕事は」

との応えを彼女はゆっくりと返してきた。

「ああ、その方がましだな。最初がつまづいちまうと俺みたいに苦労しちまうからな」

苦々しく色んなことを思い出しながら俺は吐き出す。

「ファン、貴方って苦労続きなの?」

「ああ、そうさ毎日苦労が絶えないぜ、おかげで短い休暇も更にこんなありさまで」

彼女の沈黙の意味など考えもせずに、俺は思いついたままに会話を交わす。


「サーバーにも面白そうなのはみつからなかったし………ファン、貴方ギャンブルは?」

唐突な申し出に驚きもしたが興味も沸いた。

「今までやったこともねえけど、退屈しのぎにはなるな」

とすぐさまOKをだしてみた。

「これは秘守義務でホントはまずいけど、この先にちょうど仕事の関係で行ったことのあるカジノがあるの、プライベートで遊んだこともあるから其処に行ってみようか?でもまずいから休暇のあとは忘れてね」

ようやく先の決まった俺は、ドラゴンが忘れることなんてできないのにも関わらず、無責任にうなづいてこの謎の女神の導きに従うことにした。

それが、休暇を大騒ぎにする厄災の女神とも知らずに。

それまでの鬱憤をはらすかのように行き先の定まったボートは、俺たち二人を載せて軽快に走り出す。
「ネア、ちょっと出しすぎじゃねえのか?」

次々と前方のカーゴやボートを抜き去り限りなく加速してゆくこいつに俺は不安を抱き、相変わらずお喋りだけを続けてるようにしか見えない彼女にいった。

「えっ何?ファンったらこの程度で怖気づいたの?」

彼女が気にもならない調子でこちらを向いた。

「そう云う訳じゃないが、色々とめんどうなことになると短い休暇が潰れちまうと思って」

俺は仕方なく本音を吐いた。

「男のくせに小心ね、今までの遅れを取り戻すにはこれくらいでなくっちゃ」

余りにも快活な彼女の返事に俺は、似たようなテンションの奴らを二人ほど思い浮かべちまっていた。

主要幹線から凡庸道へと降りるゲートを、Gがかかるほど膨らみながら物凄いスピードで突っ込んでゆくボートの中で俺は諦めながら開き直るばかりだった。

なぜか衝撃もなくまるでなにもなかったかのようにそこをパスしたボートは、明らかにほかとは違うように見えだした隔離されたエリアを目指し突き進んでゆく。

ようやく落ち着けるなと思った折に、まるで気の抜けたようにボートが萎えて減速を始めやがった。

隔離区画の手前で怖気づいちまったように止まるボート。

「何これ?故障なの」

そう叫びながらネアが触れもしなかったコンソールを叩き始める。

やれやれだぜ…

そう心でつぶやいた俺は、騒ぎまくる彼女からボートを助けるべく声をかける。

「見たところ最新のこいつに限ってそんなことはないと思うぜ」

傭兵時代の仲間であった機械オタクのデストロイの言葉を思い出し彼女に告げる。

「止まっちまったからには、それなりの理由があるはずだ、おい、状況を説明しろ」

そう続けたあと俺はコンソールに向かいそう叫んでみた。


「エリアからの緊急停止コードにより 本小型浮遊船は停止状態です」

思ったとおり答えが返る。

ただし相変わらず融通の効かないこいつらは、いちいち聞かねえと訳がわからねえようだが。

「理由を聴いてるの!」

相変わらずのテンションでネアがわめく。

「エリア内の防御システムが 搭乗者の身元不明の理由をもとに 搭乗者を危険と判断した模様です」

「アンタ何言ってるの?身元なら…」「そりゃあどう云う事だ?」

再び喚きだしたネアを抑え、俺のほうが大声を上げる。

「搭乗者の一人の出生不明 年齢不明 国籍不明 逮捕歴不明 履歴不明 などの 十数項目によるものと 返事が帰りました」

俺は苛立ちボート相手に喧嘩を始めちまう。

「ここは帝国じゃねえのか?こんな帝国のお膝元でれっきとしたシチズンの烙印を押されているこの俺が、なんで足止めを食らうんだよ、こんなことは今までなかったぜ!!」

ネアも負けじと加わった。

「そうよ、このわたしが保証するのよ!」

ボートの答えは冷静な機械そのものだった。

「その件につきましては、貴女様の身分及び権限をもちましても この容疑者の危険度は覆いきれません 直ちに発信のコードの入力をやめ 隣のテロリストを 公安に引き渡したほうが身の為です」
「そんなの間に合ってるわよ!!」

ひどい言われようは置いといて、彼女がそのわめき声をMAXにあげたのを見かね、俺は休暇中の相棒に情けない話ではあるが助けを求めることにした。

ハイコミュのPBモードをアクテイブにと変える。

瞳の奥に映し出されるはずの相手に向かい、取り敢えず声に出さずに問いかける。

<<おい どうせ 耳を立て覗いてるんだろ?ガーディ なんとかしろよ>>

俺の心の声にガーディの奴がすぐさま応えてきやがった。

<<やーね ファン 休暇中になんの騒ぎ?そのボートと通信相手のシステムなら 飼い慣らしたところだから 行き先をかざせば好きに移動できるわ>>

…こんなとき説明もいらないのだけは 
 助かるな

と俺はつぶやいた。

<<手綱をもってるのは おれじゃねえ>>

代わりに返した思いにガーディの奴が訝しがる。

<<あら でも 感知システムには… セキュリティを今突破したわ >>


「お嬢さん、厄介ごとは骨抜きにしといたから、うちのダーリンを休暇中の間だけよろしくね」

勝手にフロートビジョンを描いて、音声で告げた相棒に俺は返す思いもなかった。

「あら、そうなの?じゃ、いきましょうかファン、では、お借りしますね」

「うちのダーリンは手が早いから気をつけてね」

「はーい、お構いなく」

素直に動き出したボートのな中、例によって俺を無視した敵意むき出しの会話が続く。

どうして女どもはこうなのか?

俺には解けない疑問を抱いたままやっと休暇に入れることだけを考えるようにした。

ドラゴンには厄災がつきものとは言え、気の滅入る話だぜと思いながらも。




何ぶん 本編を知らない方々には ちんぷんかんぷんなこの話ですが

別ブログを参照頂いて 補足することを おすすめいたします

それが面倒な方は そのままお読みになって細かいところは

雰囲気で乗り切ってくださいませw


ネアについては 霊峰の話とは キャラが違うとのご指摘もあ上がりそうですが

何ぶん 

多重意識を並行して使い分ける彼女ですので

上記のご都合主義をもちまして 苦情はお断りする次第ですw


明日からの更新は激減予定の  いちごはニガテ





女神の見えざる導きのせいだろうか?ボートはまた軽快に滑り出す。

些か退屈になっちまった俺は流れる景色を眺めるよりも、上を眺め色々と考え込むのが多くなっちまっていた。

「ごめんねファン、もう少しだと思うから中に入れば楽しいことも待ってるだろうし外の焼ける暑さなんかは思い出さなくてもすむはずだから」

見かねたネアが俺に語りかける。

俺は退屈にたぶかされわかったとは言えない生返事のような相槌をかえすばかりだった。

時折流れる派手な建物の連なりはどうやらカジノ街をアピールしているようでその証拠に、ネアがでかい声で俺の今にも抜けそうな意識を揺さぶってきた。

「見てみてファン、あそこあそこ!やっとついたからちゃんと起きてよ」

抜け出しそうな意識はドラゴンは眠らないとゆう言葉さえも一緒に連れて行くつもりのようだ。

揺さぶられそっちを眺めた俺の黒い瞳には、やけに派手なでかい建物が日差しのもたらす陽炎で揺らめいてるのをうつしだしている。

女神の不可思議な力で静かに黙り込んだまろうカーゴは、店の入口の両脇を固めていた厳つい二人組に押さえ込まれるように囲まれちまった。

「なによ、あんたたち!」

車の中に閉じ込められた喧嘩っぱやい俺の女神は、退屈で腑抜けとかした俺の代弁を早々に始めてくれる。

「お嬢さんたち、エリアの手前で騒ぎを起こした二人組だろ?」

ニヤニヤと笑いながら覗き込む男たち。

「だったら何よ、疑いが晴れたから此処にいるんじゃないの!」

臆することもなく女神はかましつづけてくれるみたいだ。

「この店じゃ、騒ぎはご法度なんだ、そのどうみてもテロリストには見えない兄ちゃんを連れて何処かいいとこでほかの楽しみにふけるんだな?見てくれと違って驚くようなテロ行為をアンタにぶち込んでくれるかもしれないぜ」

自らの下卑た言葉に二人組は笑い声をあげる。

「別にそんなのは日が暮れてからで十分だわ、アンタたちみたいなウスノロに用はないから支配人を呼んでくれる?」

女神の怒りは更なる笑いを呼ぶばかりだった。

「次を探そうぜ」と言いかけた俺の目に、入口からでてきた高価そうな服にくるまれた影が映ってくる。


「ねえ、こっちこっち」

間抜けづらで高価な影を迎えるばかりの男たちのスキを見て、ボートから脱出した女神が手を振り回す。

支配人と思しきその影が、男たちを叱り飛ばし女神の相手をするのをぼんやりと俺は聞いていた。

「こいつらじゃ話にならないから…アナタなら遊ばせてくれるわよね」

極上の笑みを降臨した女神の言葉にも、影は頭を振るばかりのようだった。

「お嬢さん、このバカどもがどうゆうつもりで俺を呼んだのかはしれねえが、此処の店では騒ぎに敏感なのでね」


「だから!!疑いは晴れたし、何よりもこの私が連れを保証すると言ってんのよ!!」

更にがなり立てる女神の大きな声は、交渉決裂を俺に示しているようだった。

「いいですか?お嬢さん、アンタがたの先日の手入れの一件以来、ここではそうゆう決まりになっちまったわけで。…そのおかげで俺はアンタらにぶち込まれた前任者の代わりに、こうしていられるわけですけどね」

「魔法の入園料か問答無用の先日みたいな紙切れでもあれば別ですけどね」

洒落た断りを述べ続ける男の顔をおがもうとした俺は、ドラゴンの忘れざる記憶の中からそれと重なる顔を見つけ出していた。

目を覚まし女神の横に降り立った俺は、その見知らないほどの見切った顔に声をかける。

「よお、傭兵暮らしからの華麗な転職なんざあ、俺もぜひあやかりたいものだぜ、名前も知らねえけどよ」

そう切り出した俺を上から下まで見つめ直した男は、思い出したかのように恐る恐ると問いかけてくる。

「アンタ…もしかしてDDなのか?ダーティドラゴンあの死神隊の…十年前に見かけた時とと何にも変わっちゃいねえようだが…」

話が通らなくても通ってもお構いなしになりはじめた俺は、目の前の男の言葉を気にすることもなく否定した。

「ああ悪いな、そりゃ間違いだぜ、俺はダークドラゴン今じゃただのしがないシチズンだ」

と。





タイトルがマヌケにならないうちにww


いちごはニガテ



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