Category: トレデキム   漆黒の邪龍 ダーティードラゴン  1/1

接触 1   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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朝の宙港のロビーは閑散としたものだ。帝国内でも五指に入る此のメトロコロニーであっても例外ではない。無論個体別視線による情報を群体目線に変え、全ての情報を認識すれば従事する職個は多数感知され、閑散とゆう表現は当てはまらないのだが。私は群体の一部でもあるが、同時に十三番目のオリジナルパーソナリティでもあり、NHとしての認識は閑散と云う表現が最もふさわしい。そんな認識を個としての私は朝のラウンジスペースで...

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接触 2   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「特別被検体…DD」隣のボックスへと座ったその男を不躾に見つめながら私はつぶやいていた。データの認識はしていたが、実際のそれを視覚として捉えた私は大いなる好奇心値の上昇を認識し、音声として続きを発する。「本当に来ていたんだな此処に」男はちらりと私を侮蔑しただけで、卓上のバーチャルコンソールを操作し始める。物質化した器に転送されたのは、色調と匂い成分の解析からもコーヒーのようだ。続いて浮かび上がるメー...

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接触 3   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「やれやれ…」5セク程経過しただろうか、彼が反応を示した。「…普通は名乗るのが常識だろ?初対面なんだから」彼が言葉を続ける。それを認識した私は、個別体としての自身の対応を選択することとした。「…ああ済まなかったね、個別体としての私はトレデキムだ。そもそも個別体とは…」「説明はいらない。プロフェッサーのデータなら持っているし…そのことは覚えている」「…ドラゴンは忘れないだったね」私は群体として共有する記憶...

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接触 4   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「ときに、何ゆえに、NHとしては貴重な朝の時間をこんな場所で過ごしているのかい?君は」彼の行動データから湧き出た疑問の一つを、彼が好むであろう単刀直入さに変換し私はぶつけることとした。「そんなものは…多分あんたとおんなじだ」彼は相変わらず手元にばかり意識をしているようだが、質問には答えてくれるらしい。「と云うと?」彼の答えのなかから導き出されるだろう正解をリストアップしながらも、あえて私は更なる問い...

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捜索 1   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「おっかしいなあ、ファンと連絡が取れないよ…」無駄に広い一室の大きなベッドの上で少女とも呼べる女性が、ふよふよと浮かぶライトビットをつついている。「朝から何を騒いでいる」そんな少女にもうひとりの女性が声をかける。「ファングの奴なら今日から休暇なのだろう?大方気をまわしたあの小姑が回線をオフにでもしてるんじゃないのか?」支度をととのえスーツに身を包んだ女性とは違い少女は未だネグリジェのままだ。「小姑...

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捜索 2   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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暫しの沈黙のあと硬直とも捉えられる姿勢から解かれたようにビムが言葉を告げる。「バンクに渡りだけをつけておいた。これによってあやつの所在にアクセスが可能になるだろう。では行ってくる良い休暇を」「ありがとうビム」そう言って部屋を出てゆく背中にステラが応える。同じ肉体を共有する故に、感情や意思の疎通は無言でも通ずるのであるが、敢えて肉体を受け渡されたステラにとって人工同位体(バイオロイド)に意識を複製さ...

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会話 1   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「それで結局あんたの興味は、この俺の何処にあるんだ?」その見覚えのある何もかも見通すような眼差しで目の前の男が問いかけてくる。「それは君もトレデキムだからだ」私はそのワードを投げかけてみた。「ん?俺も?ああ、十三番目と云う事か…」「そうだ…十三番目の特別被検体コードネームDD、それが君なのだ」「…それが?」隠された真実を告げた私に対し、彼はあっさりとこう答えた。「知っていたのか?」「ああ、生まれた時に...

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捜索 3   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「それにしても、部屋着にしては些か…」ウインド越しにステラの格好を見て男が言った。「寝起きだからね。ともかくお願いがあるの、ファンと連絡がつかないの、なんとかならない?」それをスルーするかのようにお願いを続ける少女。「それは簡易端末ライトビットを用いてもだめとゆうことでしょうか?」「そうなのよ、通信に特化してるこの子を使ってもお手上げで、それでビムが出勤前にバンクに渡りだけをつけてくれたんだけど…」...

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叱責   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「いったいオマエたちは何をしでかしたんだ?」唐突に叱咤とともにステラの目の前に映像が浮かび上がった。それは並列思考を促し別次元の視界を起動したため、彼女の周囲の視覚情報を阻害することはなかったのだが。「えっ?ビム?…パーソナル??」一瞬混乱したステラは独白し、ようやくそれが個人通信の虚像と理解する。「この莫迦と何をしでかしたと聞いている!。おかげでLXX(リーイクスイクス)のメインフレームがハングアッ...

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釈明   (トレデキム  漆黒の邪龍 ダーティードラゴン)

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「どうかしたのか?」会話をとめ自分に向けられていた視線が、わずかに揺らぐのを感じたファングはそう問いただした。「よく見ているな…パーソナル、そう個別的私的事項だよ。リーイクスイクスからの正式な面会の要望だ」「LXX?」「そうだ、先ほどの報復についてのことだろう。このメトロのシステムへの介入に対する弁解のね。なに、大したことじゃない昨日からの別件での介入、こちらは断りもあったのだが…先ほどのリーエクスエ...

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